古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

読書日記

2011年に読んだ本ランキング

2011年に読んだ本ランキング

E・H・カー、岡田英弘

2冊読了。 30冊目『歴史とは何か』E・H・カー/清水幾太郎訳(岩波新書、1962年)/歴史とは現在と過去の対話である、と。ウーム、やはり名著。こりゃ凄い。講演を編んだものとは思えない格調の高さ。 31冊目『歴史とはなにか』岡田英弘(文春新書、2001年)…

川口有美子

1冊読了。 29冊目『逝かない身体 ALS的日常を生きる』川口有美子(医学書院、2009年)/「シリーズ ケアをひらく」の一冊。第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。ALS(筋萎縮性側索硬化症)はルー・ゲーリック病とも呼ばれる。簡単にいえば筋肉が死ん…

アーヴィング・ゴッフマン、野口悠紀雄、宮城谷昌光

2冊挫折、1冊読了。 挫折13『スティグマの社会学 烙印を押されたアイデンティティ』アーヴィング・ゴッフマン/石黒毅訳(せりか書房、2001年)/文章が読みにくい上、構成が悪い。社会の差別構造は、社会学よりも進化論でアプローチすべきだというのが私の…

宮城谷昌光

2冊読了。 26冊目『重耳(中)』宮城谷昌光〈みやぎたに・まさみつ〉(講談社、1993年/講談社文庫、1996年)/祖父・称から詭諸(きしょ)へと代が変わる。驪姫が正夫人となって詭諸の人が変わる。重耳(ちょうじ)は晋国を逐(お)われる。 27冊目『重耳(…

藤原伊織、J・クリシュナムルティ、宮城谷昌光

1冊挫折、2冊読了。 挫折12『ダナエ』藤原伊織(文春文庫、2009年)/これが遺作となった。文章がぎこちない。それが乱れに感じた。 24冊目『既知からの自由』J・クリシュナムルティ/大野龍一訳(コスモス・ライブラリー、2007年)/『自己変革の方法 経験…

粉川哲夫、森毅、中村元

2冊挫折。 挫折10『シネマ・ポリティカ 粉川哲夫映画批評集成』粉川哲夫〈こがわ・てつお〉(作品社、1993年)/3段組で活字は8ポイントほどか。生半可な分量ではないため後回しにする。粉川サイトのファンなら買って損はない。 挫折11『魔術から数学へ』森…

岡本太郎、ミネット・ウォルターズ、J・クリシュナムルティ

2冊挫折、1冊読了。 挫折8『呪術誕生』岡本太郎(みすず書房、1998年)/読むのが遅すぎた。10代、20代で読むべき作品だ。触覚に忠実であろうとする若者の生き方は、私にとって何ひとつ参考にならない(笑)。 挫折9『氷の家』ミネット・ウォルターズ/成川…

安田節子、J・クリシュナムルティ、宮城谷昌光

3冊読了。 19冊目『自殺する種子 アグロバイオ企業が食を支配する』安田節子(平凡社新書、2009年)/平凡社の本は実に読みやすい。アグロバイオとは農業関連生命工学のこと。遺伝子組み替え技術を駆使した「種業者」のことで、代表的なのはアメリカのモンサ…

福本伸行、宮城谷昌光

3冊読了。 16冊目『福本伸行 人生を逆転する名言集 2 迷妄と矜持の言葉たち』福本伸行著、橋富政彦編(竹書房、2010年)/数日前に読了。1と比べると明らかにトーンダウンしている。しょこたんを担ぎ出しているのもあこぎだ。「売らんかな」という狙いが見え…

宮城谷昌光

2冊読了。 14冊目『孟嘗君 1』宮城谷昌光〈みやぎたに・まさみつ〉(講談社、1995年/講談社文庫、1998年)/一昨日読み始め、そのまま読了。人を照らす言葉にたじろぐほどの感動を覚える。 15冊目『孟嘗君 2』宮城谷昌光〈みやぎたに・まさみつ〉(講談社、…

稲葉真弓

1冊挫折。 挫折7『エンドレス・ワルツ』稲葉真弓(河出書房新社、1992年/河出文庫、1997年)/20ページで挫ける宮城谷昌光が面白すぎて、こっちは読む気が失せた。

ジェイムズ・カルロス・ブレイク、三枝充悳

2冊読了。 12冊目『荒ぶる血』ジェイムズ・カルロス・ブレイク/加賀山卓朗訳(文春文庫、2006年)/これはめっけ物だった。中米のねっとりとした空気を乾いた文体で描いている。時代が変わったところが少々わかりにくく、後半のカットバックも長すぎる気が…

福本伸行、大野一雄

2冊読了。 10冊目『人生を逆転する名言集 覚醒と不屈の言葉たち』福本伸行著、橋富政彦編(竹書房、2009年)/数日前に読了。いやあ痺れる。堪(たま)らん。反逆精神が刃となって振りかざされる。福本の絵が苦手な人でも、これなら読めるはずだ。 11冊目『…

フランス・ドゥ・ヴァール

1冊読了。 9冊目『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』フランス・ドゥ・ヴァール/柴田裕之訳、西田利貞解説(紀伊國屋書店、2010年)/読みやすいポピュラー・サイエンスとなっている。フランス・ドゥ・ヴァールは既に霊長類研究の世界的権威とい…

リチャード・ランガム、中原圭介

1冊挫折、1冊読了。 挫折6『火の賜物 ヒトは料理で進化した』リチャード・ランガム/依田卓巳〈よだ・たくみ〉訳(NTT出版、2010年)/狙いはいいのだが展開に問題があり、前半で既にもたついてしまっている。重複する文章も多すぎる。新書にすればよかった…

カレル・チャペック

1冊読了。 7冊目『絶対製造工場』カレル・チャペック/飯島周〈いいじま・いたる〉訳(平凡社ライブラリー、2010年)/面白かったんだが、終盤でフリーメーソンが登場してからわかりにくくなっている。前半が秀逸なだけに失速感が強い。ま、それでも一読の価…

中野剛志

1冊挫折。 挫折5『恐慌の黙示録 資本主義は生き残ることができるのか』中野剛志〈なかの・たけし〉(東洋経済新報社、2009年)/読み物としては今ひとつ。文章が硬く、教科書的な印象を受けた。ミンスキーに関する解説の途中で挫ける。東洋経済新報社は本作…

スウィフト、レイ・カーツワイル

1冊挫折、1冊読了。 挫折4『ガリヴァ旅行記』スウィフト/中野好夫訳(新潮文庫、1951年)/後回し。 6冊目『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』レイ・カーツワイル/井上健監訳、小野木明恵、野中香方子〈のなか・きょうこ〉、…

ハリー・S・デント・ジュニア

1冊読了。 5冊目『最悪期まであと2年! 次なる大恐慌 人口トレンドが教える消費崩壊のシナリオ』ハリー・S・デント・ジュニア/神田昌典監訳、平野誠一訳(ダイヤモンド社、2010年)/先月読み終えていたんだが、記録するのを失念していた。人口トレンドとは…

宇沢弘文

1冊読了。 4冊目『自動車の社会的費用』宇沢弘文〈うざわ・ひろぶみ〉(岩波新書、1974年)/素晴らしい公開授業といった内容。自動車と道路を通して社会コストの仕組みを解き明かしている。示されているデータは古いものの、それによって宇沢の指摘が鋭さを…

ポール・ヴェーヌ

1冊読了。 3冊目『「私たちの世界」がキリスト教になったとき コンスタンティヌスという男』ポール・ヴェーヌ/西永良成〈にしなが・よしなり〉、渡名喜庸哲〈となき・ようてつ〉訳(岩波書店、2010年)/キリスト教を学ぶ上でコンスタンティヌスを避けて通…

第三文明編集部、ソギャル・リンポチェ、リシャルト・カプシチンスキ

3冊挫折。 挫折1『宗教のすすめ 幸福に生きる力として』第三文明編集部(第三文明社、2002年)/特定教団の宣伝本だった。 挫折2『チベットの生と死の書』ソギャル・リンポチェ/大迫正弘、三浦順子訳(講談社+α文庫、2010年)/チベット仏教は肌に合わず。…

フランク・ウィルチェック、マルコム・グラッドウェル

2冊読了。 1冊目『物質のすべては光 現代物理学が明かす、力と質量の起源』フランク・ウィルチェック/吉田三知世〈よしだ・みちよ〉訳(早川書房、2009年)/著者は2004年にノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者。大統一理論に向けて踏み込んだ考察をし…

2010年に読んだ本ランキング

毎年恒例。今年は打率が悪かった。紹介するのは一読に値するもののみ。リンクのないものは来年書く予定。挫折83冊、読了143冊で6割3分3厘という打率であった。今年はクリシュナムルティ漬け。例年より専門書も多かったため、読むスピードが落ちたのは致し方…

グレッグ・ルッカ

1冊読了。 143冊目『奪回者』グレッグ・ルッカ/古沢嘉通〈ふるさわ・よしみち〉訳(講談社文庫、2000年)/本日読了。今年はこれで打ち止めか。シリーズ第2作。前作とアティカスの雰囲気が違っていて少々戸惑った。今回は15歳の少女の警護。敵は国特殊部隊S…

ダニエル・C・デネット

1冊読了。 142冊目『解明される宗教 進化論的アプローチ』ダニエル・C・デネット/阿部文彦訳(青土社、2010年)/訳注を含めると580ページというボリューム。紙質もよく青土社の気合いが伝わってくる。よくぞ3200円に抑えることができたと思う。無神論者の…

木村敏

1冊読了。 141冊目『異常の構造』木村敏〈きむら・びん〉(講談社現代新書、1973年)/微妙。私の手元にあるのは1983年発行の14刷。思考、文章は極めて明晰。しかし如何せん内容が古い。統合失調症について存在論的アプローチを試みているのだが、その病因を…

イサベル・アジェンデ

1冊挫折。 挫折83『精霊たちの家』イサベル・アジェンデ/木村榮一訳(河出書房新社、2009年)/50ページほどで挫ける。パラグラフが長すぎて疲れる。リズムに乗ってしまえば面白そうだが、残念ながらそんな時間的余裕がない。チリ大統領を務めたサルバドー…

フレデリック・ルノワール

1冊読了。 140冊目『仏教と西洋の出会い』フレデリック・ルノワール/今枝由郎〈いまえだ・よしろう〉、富樫櫻子〈とがし・ようこ〉訳(トランスビュー、2010年)/一昨日読了。学術書とは思えないほど読みやすく、訳文も素晴らしい。仏教が西洋に伝わった歴…