書評:投資

システムとは概念/『一目均衡表の研究』佐々木英信

システムとは概念 『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA 一目均衡表は一目山人〈いちもくさんじん〉のペンネームで知られる細田悟一が創案したチャートで、既にグローバルスタンダートになった感がある。 チャーチストは価格原理主義であり、「歴史…

国債とCDSの仕組み/『恐慌第2幕 世界は悪性インフレの地獄に堕ちる』朝倉慶

経済や金融に関する本は圧倒的に悲観論が多い。ま、パスカルの賭けみたいなもので、外れたとしても損をする人はあまりいないところがミソ。しかしながら、子羊のような一般投資家はこの手の情報に翻弄され、マーケットの需給を支える羽目となる(笑)。 やや…

CDSが爆発するのはこれから/『大恐慌入門 何が起こっているか? これからどうなるか? どう対応すべきか?』朝倉慶

世界経済が不況に陥り大恐慌(1929年)へと転げ落ちた1920年代、ヨーロッパではファシズムが台頭した。オルテガが『大衆の反逆』(La rebelión de las masas)を著したのは1930年のこと。大衆(las masas)という心理的情況を「慢心しきったお坊ちゃん」に譬…

投資家とは失望した投機家のことだ/『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』山崎和邦

「投資は投機に非ず」──こんな言葉を聞いたり見たりすることは多い。株式投資であれば「長期間にわたってその企業を支え、育てるのが投資である」なんて話だ。 馬鹿も休み休みに言いやがれって話だわな。そもそも企業を支える義務が一般投資家にあるわけがな…

負け組投資家に共通する心理/『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー

既に古典となった感のあるトレーダーの教科書。名立たるビッグプレイヤーのインタビュー集である。シュワッガーの投げ掛ける具体的な質問が、彼等の相場哲学を巧みに引き出している。読むのは二度目だが、わかりやすい言葉の奥に光を湛(たた)えた鉱物が隠…

順張りの哲学/『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア

ワイルダーはRSIやADXを開発した人物である。ま、大御所といってよい。その大先生が何と100万ドルを払って買った理論というのがアダムセオリーだ。高い本なので再度読み直した。 導入部が実に素晴らしく、投資家が陥りやすい心理状況を辛辣(しんらつ)に戯…

自我は秘密を求める/『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』カーティス・フェイス

自我は秘密を求める 不明確な文章は不明確な思考から生まれる 『伝説のトレーダー集団 タートル流 投資の黄金律』カーティス・フェイス 中級者向け。コモディティ相場で勇名を馳せたリチャード・デニスが考案したトレーダー養成プログラムが公開されている。…

ビッグマック指数の嘘/『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』藤巻健史

藤巻健史はジョージ・ソロスのアドバイザーを務めた人物。まず、そんな日本人がいたことに驚いた。知らなかったよ。 セミナーの内容を編んだものだが、話し言葉でありながら妙にわかりづらい。これは思考の明晰に問題があるわけではなく、ただ単に表現力や言…

為替の価格変動要因/『矢口新の相場力アップドリル【為替編】』矢口新

いい本である。値段を除けば。書き手からすれば、異様なまでにコストパフォーマンスが高いことだろう。ってことは、読み手がリスクを背負う羽目となる。誰かの利益は、他の誰かの損失なのだ。これぞ相場道。 四六判より一回り大きいソフトカバーで、「ドリル…

エンロン破綻という経済戦略/『大相場、目前!! これから株神話が始まる!』増田俊男

『史上最大の株価急騰がやってくる!』増田俊男 『空前の内需拡大バブルが始まる』増田俊男 『敗者の論理 勝者の法則』増田俊男 『日本経済大好況目前!』増田俊男 『日本大復活! アメリカを救う国家戦略が黄金の時代の扉をひらく』増田俊男 エンロン破綻と…

ランダムな報酬が“嬉しい驚き”となる/『ゾーン 「勝つ」相場心理学入門』マーク・ダグラス

評価の高い投資本だ。ただし、翻訳が拙い。随分と損をしていることだろう。具体的な手法については何一つ書かれていない。リスク・テイカーとしての覚悟、心理、概念、思想とはどうあるべきかを追求している。 売買の厳密なルールを決めていなければ、相場は…

ジニ係数から見えてくる日本社会の格差/『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵』北村慶

ジニ係数という言葉は聞いたことがあったが、その意味を知ったのは金森重樹著『1年で10億つくる! 不動産投資の破壊的成功法』(ダイヤモンド社、2005年)を読んでからのこと。ただ、それ以降は大した気にも止めていなかった。 本書では、更に詳細な解説があ…

松藤民輔の中国批判/『無法バブルマネー終わりの始まり 「金融大転換」時代を生き抜く実践経済学』松藤民輔

松藤民輔が中国とロシアをこき下ろしている。世界を飛び回って商売をしているだけあって、その視点は確かだ。きっと、人口が多過ぎて、展望を持つことが難しいのだろう。そして中国政府は正確な人口すら掌握していないことだろう。 中国は、つまるところ労賃…

将来は過去の繰り返しにすぎない/『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー

テクニカル分析は結果主義 将来は過去の繰り返しにすぎない ダウ理論 『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA 相場本の面白さは、マーケットの論理が人生の本質を浮かび上がらせるところにある。人生は割り切れないものであるが、相場は秒単位で1円の…

テクニカル分析は結果主義/『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー

テクニカル分析は結果主義 将来は過去の繰り返しにすぎない ダウ理論 『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA ジョン・J・マーフィーはテクニカル分析をこう定義する―― テクニカル分析とは何か? それは価格チャート(出来高、建玉を含む)を使い、市…

損切りの鉄則/『フルタイムトレーダー 完全マニュアル 戦略・心理・マネーマネジメント』ジョン・F・カーター

「損を切る」ためには果断が求められる。躊躇した分だけ傷口が大きくなるからだ。個人投資家の最大の弱点はロスカット(損切り)の甘さといってよいだろう。 たとえ時たまのことではあっても、ストップを取り消すというこの悪習は、勝者と敗者とが明確に定義…

資本主義経済の最初の担い手は投機家だった/『投機学入門 市場経済の「偶然」と「必然」を計算する』山崎和邦

「機を見るに敏」――そんな人々の思惑から資本主義経済は誕生した。著者は投機を、「機に投ずる」という禅語本来の意味で使用している。 資本主義経済の最初の担い手は投機家だった。資本主義制度における最初にして最大の投機対象は株式会社そのものである。…

資産運用のリスクを恐れるな/『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』矢口新

為替ディーラーの教科書と謳われた本。名文は明晰な哲学から生れるというお手本でもある。100章で構成されており、各章は3〜4ページである。マーケットという現場で培われた知恵が随所に光る。 私たちは自分の人生の当事者です。私たちの預貯金や保険はまさ…

旧ソ連は「年金問題」で崩壊した/『繰り返す世界同時株暴落 自民崩壊・生活壊滅の時代』藤原直哉

ウウム、昨今の金融経済を予言したような書名である。ま、この手のタイトルって多いんだけどね。徐々に上がっていって、暴落する。まるで、人生のようだ。破壊は一瞬、建設は死闘。 労働力が世界マーケットの筋肉だとすれば、金融は血液に喩えることができよ…

リスクから逃げることが最大のリスク/『1年で10億つくる! 不動産投資の破壊的成功法』金森重樹

これは面白かった。「よーし、じゃあ一発、不動産で儲けるか!」って気になるよ。しかし、大事なところはそこじゃない。ものの見方を変えてくれる内容が随所にあるのだ。著者は1970年生まれというのだから大したものだ。もちろん、ゆくゆく不動産購入を考え…

バブルが崩壊したアメリカは中国を叩く/『2010年 資本主義大爆裂! 緊急!近未来10の予測』ラビ・バトラ

14日、アメリカで4番目に大きな投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻した。英銀大手のバークレイズが買収するのではと囁かれていたが、まとまらず。結局、15日に民事再生法の申請を発表した。米メディアは「流血の日曜日」と報じている。 昨日のNYダウ…

極端な集中が国家を崩壊する/『2010年 資本主義大爆裂! 緊急!近未来10の予測』ラビ・バトラ

前々から読みたかった一冊。ラビ・バトラといえば、ややトンデモ本っぽい印象を抱いていたのだが、経済学博士だけあってさすがに分析はしっかりしている。ヒンズー教徒としての瞑想にも触れているが、目くじらを立てるほどではあるまい。米国ではいずれの作…

『日経新聞を死ぬまで読んでも解らない 金の値段の裏のウラ』鬼塚英昭

そして、この本を読んでもわからない(笑)。デル・バンコ一族ってえのあ初耳。この連中が世界の金を牛耳っているんだってさ。ただし、著者の推測・推理に過ぎない。「凄いことを書いてやるぞ」と力み過ぎて、わけがわからなくなっている。孫引きも多過ぎる…

『仕掛け、壊し、奪い去るアメリカの論理 マネーの時代を生きる君たちへ 原田武夫の東大講義録』原田武夫

最近の日米関係を通して綴る金融経済入門。右ページが全て用語解説となっていて初心者でもわかりやすい構成。著者は元外務官僚で、政治の舞台裏からアメリカの意図を読み解いている。尚、この講義は正規単位として認められている。アメリカの巧妙な手口は、…

『アングロサクソンの金融支配戦略 ドル本位制がつくり出した世界支配の罠』高橋雄二+アングロサクソン金融戦略研究会

国債は「不況対策」と言える。戦後の復興期、高度成長期、80年代のバブル期を除いては、国債の発行が景気の振興に不可欠だったのが日本だ。国が歳出をカットすると需要減につながり、景気には必ず悪影響が出る。この点を忘れて、歳出減は財政赤字減って国が…

ファイナンシャル・リテラシーの基本を押さえるための3冊

資産形成に興味がある人もない人も、読むべき本を紹介しよう。ファイナンシャル・リテラシー(お金の知識)が人生を豊かにする。3冊あるが、この順番で読むべし。 実在しないと言われる「金持ち父さん」だが、お金に対する考え方が変わる。著者の狙いは、自…

『史上最大の株価急騰がやってくる!』増田俊男

『史上最大の株価急騰がやってくる!』増田俊男 『空前の内需拡大バブルが始まる』増田俊男 『敗者の論理 勝者の法則』増田俊男 『日本経済大好況目前!』増田俊男 『日本大復活! アメリカを救う国家戦略が黄金の時代の扉をひらく』増田俊男 『大相場、目前…