書評:山岳

『ビヨンド・リスク 世界のクライマー17人が語る冒険の思想』ニコラス・オコネル

タイトルは「リスクの向こう側」という意味か。既に引退した登山家も多いが、これっぽっちも老いを感じさせない。メラメラと燃え続ける何かがある。語られているのは「過去の物語」ではなく、まさに「思想」だ。 世界屈指のクライマーのインタビュー集。それ…

『長谷川恒男 虚空の登攀者』佐瀬稔

書き出し部分が読みにくい。ワンセンテンスが長く、文章の行方がわからなくなる。リベラルな立場に固執してどっちつかずになるのが筑紫哲也だとすれば、客観を重視して不要な短所を盛り込んでしまうのが佐瀬稔だ。 佐瀬のノンフィクションはクライマーとボク…

『僕の名前は。 アルピニスト野口健の青春』一志治夫

『僕の名前は。 アルピニスト野口健の青春』一志治夫 『写真集 野口健が見た世界 INTO the WORLD』野口健 一志治夫の作品は初めてだが、実に読みやすい文章だ。内容はというと、全く期待外れだった(笑)。それでも一読の価値あり。 手のつけられない暴れん…

標高8848mに解き放つ男の本能/『神々の山嶺』夢枕獏

再読。読了後、眠ること出来ず――。 極限を生きる充実、徒手空拳で大自然の拒絶をはねのける闘争、それ自体が純粋な目的と化す劇(ドラマ)――男達はなぜ山頂を目指すのか。 カメラマンの深町誠がネパールの首都カトマンドゥの、とある店で1台の古ぼけたカメラ…