書評:病
決して悪い本ではない。文章もこなれている上、著者自身が癌を宣告され余命いくばくもない中で執筆されているため独特な透明感がある。 老い呆けし母を叱りて涙落つ 無明無限にわれも棲みゐて(斎藤史〈さいとう・ふみ〉) 【『痴呆を生きるということ』小澤…
fwikさんから薦められた一冊。面白かった。とにかく紙屋克子の人柄が素晴らしい。言葉の端々にヒューマニズムが脈打っている。多分、受信料の徴収が芳(かんば)しくないNHKが、その天下り先と目される出版社と共謀し、番組をテキスト化するという割安な手法…
この新書は「癌治療功労者列伝」といった趣がある。日本人がこれほど活躍していたとは露知らず。驚かされた。 厚生労働省は癌のことを「悪性新生物」と呼称している。これじゃあまるで、「ウルトラQ」に出てくる怪物みたいだ。まったくセンスがない。どうせ…
・自閉症児を「わかる」努力 ・自閉症は「間(あいだ)の病」 ・人の批判は自己紹介だ 軽度発達障害とされるアスペルガー症候群は「高機能自閉症」と訳されている。そこで、「じゃあ自閉症から調べてみるか」ということで本書を読んだ次第だ。 まったくの見…
軽度発達障害の子が増えていると聞く。意思の疎通が難しいと、犯罪の要因ともなりかねない。こうした徴候の目立つ少年を、見事に教育している宇治少年院のルポ。我が子に対して「ちょっと変わっているな」と思ったことのある親御さんには是非読んで欲しい一…
・『免疫の意味論』多田富雄 ・『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』渡辺一史 ・『寡黙なる巨人』多田富雄 ・世界的な免疫学者もリハビリ難民に・『往復書簡 いのちへの対話 露の身ながら』多田富雄、柳澤桂子 多田富雄は抑制T…