書評:ビジネス

コミュニケーションの第一原理/『プロフェッショナルの条件 いかに成果をあげ、成長するか』P・F・ドラッカー

「はじめて読むドラッカー【自己実現編】」と表紙にある。ドラッカー入門という位置づけの抄録。しかしながら単なる抜粋の寄せ集めではなく、ドラッカー思想のエッセンスが結実している。 ただし、やはりと言うか、案の定と言うか、思想のドライブ感に欠ける…

ファシズム全体主義を徹底的に糾弾する一書/『ドラッカー名著集 9 「経済人」の終わり』P・F・ドラッカー

ドラッカーの処女作である。書き始めたのはヒトラーがドイツ首相となった直後のこと(1933年2月)。ドラッカーは23歳だった。書き上げた後も原稿を温めていた。ドラッカーの予測は次々と的中した。こうして1939年(昭和14年)に刊行されベストセラーとなった…

世界大恐慌 ドラッカー19歳/『ドラッカー入門 万人のための帝王学を求めて』上田惇生

そろそろピーター・F・ドラッカーを読もうと思い立ったのだが、いずれの内容も重量級と察して本書を選んだ。正解だった。上田惇生は、ドラッカー作品の大半の翻訳を手掛け、ドラッカー本人とも親交があったという。やや礼賛が勝ちすぎていて鼻につくがこれは…

社内主義から社外主義への転換/『スーパーサラリーマンは社外をめざす』西山昭彦

ビジネス書ではあるが、日本人の内向性を見事に言い当てている。組織の内側に向かうエネルギーが、企業から体力を奪い取っている。 この数年間、多くの企業の部課長と議論を重ねた結果、一つの結論に達した。これから日本企業が発展していくには、「社内主義…

松下幸之助の自負/『若さに贈る』松下幸之助

ちょうど一年前、松下電器産業はパナソニックに社名を変更した。「ナショナル」という名前も消えた。 “経営の神様”は尋常小学校を4年で中退し、丁稚奉公に出された。大阪の路面電車を見て感激し、電気に関わる仕事を志す。電球の取り外しができるソケットを…

脳内で繰り広げられる道路工事/『まず、ルールを破れ すぐれたマネジャーはここが違う』マーカス・バッキンガム&カート・コフマン

脳細胞の数は銀河系の星の数よりも多い 優れたビジネス書にも脳科学の記述がある。そりゃそうだ。ネットワークという思考が行き着くところは脳内のシナプスでありニューロンなのだから。 子供が3回目の誕生日を迎える頃までに、完成された結合は桁外れの数に…

社内文化に染まっている人は「抵抗勢力」となる/『制度と文化 組織を動かす見えない力』佐藤郁哉、山田真茂留

目的があるからこそ組織される。そして、組織が出来上がると、今度は「組織を維持すること」が目的となってしまい、当初の目的が見失われる。こうして、組織の硬直化が始まる。 どうでもいい朝礼、マネジメント能力を欠いた上司、不平等極まりないポストなど…

並外れて優秀なマネジャーは伝統的なルールを破る/『まず、ルールを破れ すぐれたマネジャーはここが違う』マーカス・バッキンガム&カート・コフマン

秀逸なビジネス書。胡散臭いポジティブ思考が数多く出回っているジャンルだが、豊富なデータを緻密に検討している。それもそのはず、米国の調査会社ギャラップ社が8万人のマネジャーと100万人の従業員に行ったインタビューが基本データとなっている。ギャラ…

『ヒトデはクモよりなぜ強い 21世紀はリーダーなき組織が勝つ』オリ・ブラフマン、ロッド・A・ベックストローム

狙いはいいのだが、構成が悪い。ピラミッド型組織の弱さと、分散型ネットワーク組織の強さを検証している。クモは頭を潰せば死んでしまうが、ヒトデには脳がないため、どこを切っても生きている。 「スー族には、ある程度、中央集権的な政治制度があった。征…

『やっぱり変だよ 日本の営業 競争力回復への提案』宋文洲

フリーライターの前原政之さんが褒めていたので読んでみた。宋文洲(そう・ぶんしゅう)氏は1985年に国費留学生として中国より来日。その後、天安門事件で帰国できなくなり、日本でソフトを開発して会社を興す。ソフトブレーン(株)は東証マザーズに上場し…

『セブン-イレブンおでん部会 ヒット商品開発の裏側』吉岡秀子

セブン-イレブンの礼賛本。褒めるからにはそれなりの理由がある。 1974年、江東区の豊洲に第1号店をオープン。6年後の1980年に1000店舗を達成し、2003年には遂に1万店舗を突破したというのだから凄い。破竹の快進撃だ。 小売業で業績がいい会社は、必ず緻密…

『人生を掃除する人しない人』桜井章一、鍵山秀三郎

『人生を掃除する人しない人』桜井章一、鍵山秀三郎 『人生がときめく片づけの魔法』近藤麻理恵 生活感覚――鍵山秀三郎 生活感覚のない人間は、ロボットより悪い。ロボットのほうがまだいいと思います。 なぜこんなことになったか。いろいろ原因はありますが…