13年前、失意の底から喘ぐような思いで東京行きを決心し、故郷の北海道を後にした。両手で間に合う荷物を携え、文字通りこの身ひとつで再起を賭けた旅立ちであった。23歳、厳寒の2月、吹雪荒れ狂う14日のことである。 わずかな持ち物の中に2冊の本があった。…
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