古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2002-01-01から1年間の記事一覧

ジェネレーション・ギャップ

いつの時代にあってもジェネレーション・ギャップは存在した。古代エジプトで造られたピラミッド内の壁にも、「最近の若い者は――」とため息交じりの嘆き節が刻印されているそうだ。私の世代がうら若き頃、巷間では、「5年違えば異邦人、10年違えば宇宙人」な…

北朝鮮拉致家族に思う

10月15日、北朝鮮によって拉致された5人が帰国した。早いもので、もう20日以上が経つ。これまでのニュースを私は新聞(読売)でしか知り得てない。テレビニュースは全く見ていないので、見当違いな箇所があればご指摘願いたいことを初めにお断りしておく。 …

ニュース拾い読み・書き捨て 18

北朝鮮との国交回復に伴う明暗 ▼何ともやり切れない思いに駆られる。記念すべき国交正常化は幕を開けた途端、拉致された方8名の死という事実からスタートした▼いずれにせよ、一人のいのちが国家よりも軽い現実に目を覆いたくなる。国家という怪物にとって人…

目撃された人々 17

6月23日の深夜0:00を少し越えた頃だ。相棒の運転する車に給油をし、路上に出て信号待ちしていた。交差点の右方向から猛スピードで走ってくる車の音がした。瞬時に眼の前を黒っぽい車が、時速100km以上の速さで駆け抜けていった。前後して大音響。私は相棒に…

日韓サッカーの源流 ワールドカップ開催を祝して

1936年というから、昭和の11年である。ベルリン・オリンピックが開かれた。日本でも、サッカー(当時は「蹴球(しゅうきゅう)」といった)の全日本代表を決めることになった。 実質の選考会とされたのが、前年6月の「全日本総合蹴球選手権大会」である。各…

目撃された人々 16

電車の吊り革につかまっている時だった。私の右斜め前に行楽帰りとおぼしき家族連れが座っていた。子供2人に母親とおばあちゃんの4人組。大人達は疲れ切った表情でどっかと腰を下ろしていた。上の女の子はまだ2歳になっていないだろう。下の子はおばあちゃん…

目撃された人々 15

上京して間もない頃の話だ。私はちょっと困ったことがあって、ある婦人を訪ねた。古い家だった。「どう切り出そうか……」などと思案顔のままで部屋に通された。まだ25歳の頃だったと記憶する。今となっては何を相談に行ったのかすら覚えていない。ただ、少々…

かたち考

私をただの古書店主と思っていたら、それは大きな間違いだ。あるいは貧乏古書店主などと想像している方がいたとすれば、あなたは不逞の輩であると断言しよう。私の職業は古書店主であるが、その正体は研究者なのだ。薄々、気づかれた方も多いことだろう。そ…

目撃された人々 14

電車内には礼節や親切は存在しない。ここのところ電車に乗る機会が多いのだが、そのような結論に至った。 まず、混雑している車内から降りようとドアに向かって進む際に「あの、すみません」とか「ちょっと、よござんすか」などと行った野郎を見たことないも…

平易に説き過ぎた生まれ変わりの幸福論/『生きがいの創造』飯田史彦

副題は「“生まれ変わりの科学”が人生を変える」。チト胡散臭いな(笑)。 著者の本業は福島大学経済学部経営学科の助教授。特定の宗教色は全く無い。 ある講演を聞いた際、飯田史彦の名前が紹介されたので読んでみた。私は仏教徒なので所謂「生まれ変わり」…

靖国神社

靖国神社を支える「日本遺族会」の自民党員は11万人。「英霊にこたえる会」の会員は120万人。

ニュース拾い読み・書き捨て 17

不況を尻目に左団扇(ひだりうちわ)の国会議員 ▼詳細は1月6日付東京新聞に▼議員年金というものをご存じであろうか? 国会議員がもらえる年金のことである。一般国民の場合、25年間の掛け金を納めなければもらうことができないが、国会議員になると何と10年…

『オフィスサプライ・カタログVol.2』SOKKIグループ

前号に 気に入ったコピーを目にして、カタログを取り寄せたこともあった。このカタログは現在に至っても、たまにパラリと開いて一人でニヤニヤしながら悦に入ることがある(参考までに書いておくと、SOKKIグループの『オフィスサプライ・カタログVol.2』とい…

目撃された人々 13

今回は人ではなくてモノ。 家の前の信号を渡って、左側の路地に入ると右手に花屋がある。JR亀戸駅に向かう際、必ず通るコースだ。以前は吹けば飛ぶような建物だったが、いつしかマンションが立ち、その1階に店舗があてがわれていた。 私が亀戸に住んでから15…

ニュース拾い読み・書き捨て 16

ズームアップWEEKLY/カブール 「寒い教室 学ぶ心熱く」 【読売新聞夕刊 2002-01-31】 ▼写真記事である。左に紙面の半分もある大きさの写真。まだ朝早い時間なのであろうか、少女が暖房の無い教室で白い息を吐きながら教科書に見入っている。少女の横顔と教…

『虹をつくる男たち コマーシャルの30年』向井敏

向井敏、逝去――このニュースを新聞で知った時、少なからぬショックを受けた。この本を読み終えたのは亡くなる少し前だったから、何か因縁があったのかも知れぬ。学生の時に伝説的なガリ版同人誌『えんぴつ』を発行。盟友、開高健と谷沢永一に挟まれた彼は、…

「[書評]のメルマガ」を斬る

「[書評]のメルマガ」をご存じだろうか。 それほど面白いわけでもないんだが、間接的な知人(つまり直接は知らない)がいることもあって惰性で購読している。まあ、内のマガジンと扱う書物のジャンルが異なることもあって、大して面白くもなければ、参考に…

 ニュース拾い読み・書き捨て 15

ホームレス襲われ死亡/中2男子3人逮捕/図書館で注意うけ逆恨み 【読売新聞 2002-01-28】 ▼上記の見出しは1面記事で、社会面でも大きく取り上げられている。取り調べに対して少年達は「涙を流したり、『許して下さい』と言っている」そうだ▼君等の涙を信用…

目撃された人々 12

ストレスを溜めない方法の一つに「電車に乗らないこと」を挙げる人が多い。紳士然とした人物が電車に掛け込むなり空席を血眼(ちまなこ)になって探すような仕草や、頭の悪そうな学生が長い脚を通路に放り出している態度や、込み合った車内で、カサカサとな…