粉川哲夫、森毅、中村元


 2冊挫折。


 挫折10『シネマ・ポリティカ 粉川哲夫映画批評集成』粉川哲夫〈こがわ・てつお〉(作品社、1993年)/3段組で活字は8ポイントほどか。生半可な分量ではないため後回しにする。粉川サイトのファンなら買って損はない。


 挫折11『魔術から数学へ森毅〈もり・つよし〉(講談社学術文庫、1991年)/時折関西弁を交えながら飄々とわかりやすい文章を綴っているが、行間から傲然とした態度を感じる。定説に疑義を挟むのは一向に構わないのだが、自説の持ち出し方がどうもおかしい。0に関する記述(74ページ)もデタラメ極まりない。学問に名を借りた放言としか思えない内容だ。


 23冊目『人生と仏教 11 未来をひらく思想 〈仏教の文明観〉中村元〈なかむら・はじめ〉(佼成出版、1970年)/全12巻だが手元にあるのはこれだけ。前半は快調だが、後半の構成がいい加減だ。それでもこの頃の中村は気骨を示している。ただ穏やかな性質のためか、日蓮に対する嫌悪感が綴られていた。全体的に学者としての立場で仏教宣揚を試みているが、このあたりが学者の限界であろう。