2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

古舘伊知郎を解く

久米宏の降板を受けて、同時間枠に古舘伊知郎が起用された。 テレビ界における久米の仕事振りを評価する声は数多い。だが、私は大嫌いだ。確かに、ニュース番組をお茶の間レベルにしたのは功績といえよう。そして、必要以上にニュースを貶(おとし)めたのも…

年金問題のレトリック――衆愚の危険

国会議員による「年金未納・未払い問題」がかまびすしい。ただでさえ、グリーンピア問題などで国民は感情的にならざるを得ない状況に追いやられている。マッチで火をつけておいて、ポンプから水を汲もうとする犯人はマスコミだ。 テレビ朝日や朝日新聞は、も…

『マトリックス・レボリューションズ』

監督:ウォシャウスキー兄弟 【5点】 こりゃ、キリストのパロディだね。ネオが一仕事終わった時、磔(はりつけ)になったイエスと同じポーズで横たわっているのがその証拠。ましてや、光にまで包まれている。 『マトリックス』がそれなりに見せていただけに…

『es〔エス〕』

監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル 【8点】 ドイツ映画。これは堪能できた。いわば、“箱庭版ナチ”といった趣。映像がやけにリアル。ラストの格闘シーン以外は完璧に近い(どう考えても握るのは不自然。払うのが当たり前だ)。 権力が人間を狂わせてゆく様が…

森達也インタビュー 9

映像との出会い ――森さんが映像に興味を持たれたのは、テレビですか、映画ですか? 森●映画ですね。 ――おー。ちなみに、どのような作品からですか。 森●中学3年のときに、『イージーライダー』と、あと『いちご白書』って知ってます? ――はい。学生運動の。 …

森達也インタビュー 8

(正式退社の日に)本気で言っているのかと思わずまじまじと顔を見つめてしまったが、退社の手続きをしている最中に近づいてきた制作本部長が、「オウムの映像はこちらにも著作権があるとうことを忘れないでくれ」と突然言い出した。 「本気で言ってるんです…

森達也インタビュー 7

「洗脳」という言葉の定義が、情緒を停止させ一方向にしか物事を考えない心理状況を示すのであれば、それは境界線の向こう側だけでなく、こちら側にも同量にある。(73p) 【『「A」撮影日誌 オウム施設で過ごした13カ月』森達也(現代書館)】 ――しかし、お話…

森達也インタビュー 6

個人情報保護法案を巡る感情 ――ようやく個人情報保護法案なんですけど(笑)。 森●あれも一口で言うのは難しいんですけど、やっぱり、(法律で)しばられるよりも、しばられないほうがいいですよね、間違いなく。ただ、ぼくは、たぶんマスメディアは縛られた…

森達也インタビュー 5

ドキュメンタリーの仕事は、客観的な真実を事象から切り取ることではなく、主観的な真実を事象から抽出することだ。(中略) カメラが日常に介在するということは、対象に干渉することを意味する。微粒子は観測する行為そのもので大きな影響を受け、粒子とし…

森達也インタビュー 4

『A』の先に何が見えるか オウムをドキュメントで捉えるという構想は以前からあった。麻原を護送するワゴンカーのテレビ映像を眺めながら、どうしようもないほどに茫漠とした疑問符とし切実な欠落感を感じつつ、僕はこの扁平な映像の洪水を、他の視座から立…

森達也インタビュー 3

――あのー、『A』から『A2』にかけての話ですが、もうオウムはテーマとして取り上げない、と、ずいぶん発言されていましたね。 森●はい。 ――それで、要するにもう一度取り上げよう、として、『A2』をつくることになった、一番根っこにある理由をうかがいたい…

森達也インタビュー 2

メディアにおける「タブー」とは何か ――テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、と、いろいろメディアに種類がありますが、マスメディアの側の壁の厚さってものは、強まっているのか、弱まっているのか、感じられることはありますか。 森●うーん、難しいんですねえ。「…

森達也インタビュー 1

【森達也】1956年広島県呉市生まれ。1980年立教大学卒業、在学中から俳優活動を始め、自主製作映画などに出演。1989年、不動産、広告会社などの様々な職種を経て、テレビ番組制作会社に入社。以降、報道系ドキュメンタリーの番組等、40本以上の作品を手がけ…

国内最多251万部

片山恭一という作家の『世界の中心で、愛をさけぶ』(小学館)の発行部数が5月7日、251万部に達した。 国内作家の小説としては、村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社)を抜き、過去最多部数となった。『世界の中心――』は2001年4月出版。突然の重い病に侵さ…

『24 TWENTY FOUR』&『シーズンII』

監督:スティーヴン・ホプキンス&ジョン・カサー 【10点】 脚本:ロバート・コクラン&ジョエル・サーノウ 話題となっている『24 TWENTY FOUR』と『シーズンII』を見た。どれぐらい話題になっているかというと、この間、北海道へ帰省した際、決して映画好き…