書評:身体

心臓の鼓動が体中にメッセージを伝えている可能性もある/『心臓は語る』南淵明宏

著者は『ブラックジャックによろしく』という漫画作品に登場する北三郎のモデルとなった人物。テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」で見たことがある人も多いだろう。(※画像検索) わかりやすい文章で心臓を解説。日本の医療に対する苦言も綴られていて…

片麻痺患者の体性感覚/『脳のなかの身体 認知運動療法の挑戦』宮本省三

脳血管障害で左右いずれかの半身に麻痺症状が現れることを「片麻痺」(かたまひ)という。昔は半身不随といわれたが、これだと下半身なのか左右なのかがわかりにくい。 脳内の血管が詰まったり(梗塞性)破れたり(出血性)して何らかのダメージを負うと、身…

視覚の謎を解く一書/『46年目の光 視力を取り戻した男の奇跡の人生』ロバート・カーソン

視覚の謎を解く一書 道に迷うことは物事を発見するために欠かせないプロセスだ 盲目の冒険者 『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』ジル・ボルト・テイラー 子供の時分から「目が見えること」が不思議でならなかった。超能力や超常現象よりもはるかに不思議…

ツボは神経の交差点/『一目でわかる! 必ず見つかる! ホントのツボがちゃんと押せる本』加藤雅俊

身内に障害者がおり、何かの役に立てばと思って読んでみた。私自身は生まれてからこのかた、ただの一度も肩凝りを経験したことがない。マッサージとも無縁で、床屋で肩を揉まれるのもくすぐったくて苦手だ。 結論から言おう。少しは役に立った。肩凝りなどの…

ダブルバインド/『子供の「脳」は肌にある』山口創

ダブルバインド(二重拘束)とは、矛盾するメッセージの板挟みになる状態のこと。幼児が大きくなるにつれ、母親は身体的な接触を忌避する時期があるそうだ。本能に備わる子離れ、親離れのメカニズムの一つなのかも知れない。 このようなときでも、子どもから…

感動は身体性を伴う/『子供の「脳」は肌にある』山口創

感動は抑えることができない。無表情の感動なんてあり得ない。 ピアジェの観察からもわかるように、知識というものは、それが本当に生きた知識として身につくときには、必ず何らかの具体的で情緒的な事物の操作を通じての感覚・感動を伴うものである。目の前…

人間が挑める高さの限界/『人間はどこまで耐えられるのか』フランセス・アッシュクロフト

ヒトが登れる高さの限界、潜れる深さの限界、暑さ、寒さ、スピードの限界を生理学的見地から探っている。誰もが実感できそうなテーマがグッド。 夢枕獏著『神々の山嶺』を読んで以来、私は自称“山男”となった。多分、同意見の人が多いことと思う。そして私は…