2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧
古代ギリシアから今日に到るまで、多くの人々によって唱えられてきた死をめぐる箴言(しんげん)がある。“人は自分の死を体験できない。体験できるのは他者の死だけである”。この箴言が妥当視されてきたからこそ、古代の宗教祭典において人々は動物や時には…
時代錯誤とは、字義どおりには時代を錯誤することである。だが、時代が錯誤していることだっておおいにありうるのである。 【『貨幣論』岩井克人〈いわい・かつひと〉(筑摩書房、1993年/ちくま学芸文庫、1998年)】
数字は個別の物語を捨象する。例えば、完全失業者数は359万人(2009年7月)、65歳以上の人口は2640万人(2006年9月)、交通事故による死者数は5155人(2008年)、自殺者は3万2249人(2008年)などを見ても明らかなように、個々人の顔が全く浮かんでこない。…
3冊挫折。 挫折53『こどもたちに語るポストモダン』ジャン=フランソワ・リオタール/菅啓次郎〈すが・けいじろう〉訳(ちくま学芸文庫、1998年)/20ページで挫ける。二度と読むことはないと思う。私は多分、「こども」以下なのだろう。 挫折54『ザ・秒殺術…
新たな住宅ローンの資金調達:住宅ローン債券を他者に販売するということは、売却代金としてキャッシュが手元に入ってくるということを意味している。つまり住宅ローンを貧困層に貸付け、そのローン債券を売り払い、債券の売却代金をまたもや貧困層に貸しつ…
金融イソップ物語 “あと一歩”で儲け損なった男たちの話 欲張り過ぎて全てを失った男。あと一歩で巨利を逸した男。過去の栄光に溺れた者……。反面教師20例に学ぶ成功の秘訣。
・「日本病」の正体 石井紘基の見た風景 ・官制経済体制の打破こそ真の構造改革 石井紘基が生きていれば、私はきっと会いに行ったことだろう。権力の厚い壁を前にして、たった一人で何度も体当たりを食らわせた男だ。そして遂に風穴を空けた。特別会計の存在…
いまでは、チョムスキーの提起したさまざまな問題を研究する学者の数が、何千人にも達している。チョムスキーは、人文科学分野でしばしばその言が引用される人物トップテンに(ヘーゲル、キケロを抜き、マルクス、レーニン、シェークスピア、聖書、アリスト…
1冊読了。 105冊目『マスードの戦い』長倉洋海〈ながくら・ひろみ〉(河出文庫、1992年)/『峡谷の獅子 司令官マスードとアフガンの戦士たち』(朝日新聞社、1984年)に一部加筆した作品。長倉洋海はフォト・ジャーナリストである。『マスード 愛しの大地ア…
2冊挫折、1冊読了。 挫折51『ロスチャイルド世界金権王朝 極世界支配の最奥を抉る!』ジョージ・アームストロング/馬野周二〈うまの・しゅうじ〉監訳(徳間書店、1993年)/陰謀モノだった。陰謀論はいつも思い詰めている。思い詰めているから一つのストー…
集合ポストに同じチラシが三つも入っていたよ。しかも、ビニール袋入りで。ダイハツ東京が委託しているチラシ配付業者は三流会社のようだ。「夏だ、海だ、ドライブだ!」という文字が躍っているが、もう秋ですよ。
肌の境界感覚があまりに弱いと、人から影響を受けすぎて自分というものがなくなってしまう。たとえば、自分を主張したり表現することができず、常に他人に合わせることでよい子を演じ続ける「過剰適応」の行動になる。 逆に肌の境界感覚があまりに強すぎると…
空の論理 ニヒリズムを超えて 西洋哲学の究極にあるニヒリズムの陥穽は龍樹の『中論』に示されている「空」の論理において徹底的に突き詰められ、克服されてゆく。本書は、倫理学・ドイツ哲学の専門家がその生涯をかけて到達し、自己の問題として提示した、…
その男には怒りが燃え盛っていた。圧倒的な怒りが男を衝き動かしていた。怒りの矛先(ほこさき)は犯罪とそれを取り巻く社会に向けられていた。本村洋は単なる被害者ではなかった。「殺害された妻」の夫でもなかった。彼は「正義そのもの」であった。 本書を…
・『物語の哲学』野家啓一 ・狂気を情緒で読み解く試み ・ネオ=ロゴスの妥当性について・『新版 分裂病と人類』中井久夫 ・『アラブ、祈りとしての文学』岡真理 ・『プルーストとイカ 読書は脳をどのように変えるのか?』メアリアン・ウルフ ・『神々の沈黙…
さらに現在、石川(悠加)が先頭に立って推し進めているのが、「NIPPV」(非浸襲的〈ひしんしゅうてき〉人工呼吸器)と呼ばれる新しい人工呼吸療法である。その日の研究会でも、大きなテーマとして扱われていた。 これまで人工呼吸器といえば、「気管切開」…
これ、物凄く美味しい。ありきたりでない贈り物にうってつけ。 仙台麩 油麩丼の会 油麩丼
1冊挫折、1冊読了。 挫折50『石原吉郎「昭和」の旅』多田茂治(作品社、2000年)/『内なるシベリア抑留体験 石原吉郎・鹿野武一・菅季治の戦後史』の後に書いておきながら、二番煎じ以下といった内容だ。我慢しながら100ページほど読んだが、読むだけ無駄だ…
Googleブック検索やAmazonのなか見!検索など、書籍の中身をインターネット上で検索できるサービスが始まっている。6月には著作権法が改正され、国立国会図書館が図書館内の資料をデジタル化できるようになった。今後はこのデジタル化した書籍をインターネッ…
窪田空穂『現代文の鑑賞と批評』を読んでいると、あるものを鉛筆を手にして描きながら見るのと、鉛筆を手にしないで見るのとでは、まったくちがうというポール・ヴァレリーの文章(『ドガに就て』吉田健一訳、筑摩書房)を思い出します。 いかに見なれたもの…
イスラエル問題を知れば知るほど暗澹(あんたん)たる気持ちになってくる。世界がどうしてこれほどパレスチナを無視するのかが全く理解できない。 結局のところ、パレスチナってのはイギリスから見た場合、単なる空き地に過ぎなかったということだ。第一次世…
イスラエルのギデオン・サール(Gideon Saar)教育相は21日、国内のアラブ人学校で使う教科書で、イスラエル建国をめぐる記述にアラビア語で「大災厄」を意味する「ナクバ(Nakba)」という言葉を使用することを禁止すると発表した。次回の教科書改定時から…
・重度身体障害者が独り暮らしを断行・『往復書簡 いのちへの対話 露の身ながら』多田富雄、柳澤桂子 よもや、活字で「三角山」に出会うとは思わなかった。私は幼少時をこの山の麓(ふもと)で過ごしているのだ。それ以降、苫小牧、帯広と引っ越し、再び札幌…
1冊読了。 102冊目『シャヒード、100の命 パレスチナで生きて死ぬこと』アーディラ・ラーイディ著、イザベル・デ・ラ・クルーズ写真/岡真理、岸田直子、中野真紀子訳(「シャヒード、100の命」展実行委員会、2003年)/2000年9月末に始まった第二次インティ…
トラブルが起きるとそこの組織の底力が見える。底力は、組織以外の優秀な人たちの大いなるネットワークによって支えられていた。部下からは絶対トップの耳に入れることのない貴重な情報は、外部の人間がトップに入れるのだ。そのネットワーク作りは20代から…
コンプレックスはいろいろあれど、お洒落して化粧してヒール履いて「わ。美人」と思うことで自分の背中を押して出かける女性は少なくないはずだ。 化粧品市場は「私ブス」と思う女性がたくさんいるから充実しているのではない。「わ。美人」と思いたい女性た…
フセイン国王のパレスチナ人弾圧は70年9月に起こったため「黒い九月」と呼ばれているが、やがて同じ名のパレスチナ人テロ組織が誕生し、これが72年9月にミュンヘン・オリンピック村を襲撃し、イスラエル選手団に犠牲者が出ることになる。 ヨルダン内戦でPLO…
1冊挫折。 挫折49『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』エミール・ハビービー/山本薫訳(作品社、2006年)/期待が大きかっただけに残念。まず、活字がゴシック体で読みにくい。次に脚注が多すぎて読みにくい。そして、諧謔(かいぎゃく)の中…
一方、意図的な編集がなされているという批判がなされる事もある。例えばコロンバイン高校での事件を受けてNRAがわざわざコロラド州で集会を開催したかのような演出が為されている。しかしこの集会は事前から予定に組み込まれていたものであり、銃乱射事件の…
1冊読了。 101冊目『日本が自滅する日 「官制経済体制」が国民のお金を食い尽くす!』石井紘基〈いしい・こうき〉(PHP研究所、2002年)/もっと早く読んでおくべきだった。せめて、石井が殺される前に。本書が1月23日に発行され、同じ年の10月25日に自宅前…