古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

マルティン・ルターが、ローマ教会の贖宥状の販売を糾弾する「95ヶ条の論題」を教会の壁に貼り出した日

今日はマルティン・ルターが、ローマ教会の贖宥状の販売を糾弾する「95ヶ条の論題」を教会の壁に貼り出した日(1517年)。1521年にカトリックを破門。プロテスタントの元祖となる。贖宥状の糾弾については飽くまでも神学上の疑問を呈したものであって、金儲…

フェルメールが生まれた日

今日はフェルメールが生まれた日(1632年)。17世紀にオランダで活躍した画家。レンブラントと並び17世紀のオランダ美術を代表する画家とされる。静謐で写実的な迫真性のある画面は、綿密な空間構成と巧みな光と質感の表現に支えられている。現存する作品は3…

秩父事件が起こった日

今日は秩父事件が起こった日(1884)。埼玉県秩父郡の農民が政府に対して起こした武装蜂起事件。自由民権運動の影響下に発生した、いわゆる「激化事件」の代表例ともされてきた。松方デフレによって農作物価格の下落が続き、農民は困窮。事件後、約14000名が…

『シャーロック・ホームズの冒険』が刊行された日、ベイジル・リデル=ハートが生まれた日

アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズの最初の短編集『シャーロック・ホームズの冒険』が刊行された日(1892年)。イギリスの軍事評論家、軍事史研究者、戦略思想家ベイジル・リデル=ハートが生まれた日(1895年)。

「薬害エイズ」という言葉はおかしい

一般に「薬害」と呼ぶのは、サリドマイドやスモンのように、医薬品の有害作用がきわめて強く、反面、医薬品として残すだけの価値の少ないものを指します。つまり「薬」とは名ばかりで、「公害」と同様の「害悪そのもの」との意味合いです。 これに対して、麻…

党籍剥奪

党員だった者は党の名誉を汚(けが)したということで、より重い刑に処され、当然党員資格も剥奪(はくだつ)された。 【『チャイルド44』トム・ロブ・スミス:田口俊樹訳(新潮文庫、2008年)】

『新版 スピンはめぐる 成熟期の量子力学』朝永振一郎(みすず書房、2008年)

朝永振一郎による不朽の名著、待望の新版。あのパウリによって「古典的記述不可能な二価性」とも表現され、マクロな物理現象とのアナロジーを拒んだ“スピン”の真髄に迫ろうとするとき、本書のアプローチに優るものは想像しがたい。スピンの概念は紆余曲折の…

『量子論の発展史』高林武彦(ちくま学芸文庫、2010年)

連続量と考えられていたエネルギーにも最小単位があった! プランクは空洞輻射で量子の概念に至り、アインシュタインは光量子、ボーアは水素原子の量子論、ド・ブロイは物質波、ハイゼンベルクは行列力学を創出した。先の見えない道を、創造者たちはどのよう…

『不安定からの発想』佐貫亦男(講談社学術文庫)

ライト兄弟はどうして大空を飛べたのか。それを可能にしたものは、勇気と主体的な制御思想だった。空が不安定なものであることを受け入れ、過度な安定に身を置かず、自らが操縦桿を握ることで安定を生み出すのだと。それはわれわれの人生に重なる発想ではな…

魔女狩りの環境要因/『魔女狩り』森島恒雄

・『科学史と新ヒューマニズム』サートン:森島恒雄訳 ・『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ:森島恒雄訳 ・魔女は生木でゆっくりと焼かれた ・魔女狩りの環境要因 ・魔女狩りの心情・コロンブスによる「人間」の発見/『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観…

ポール・ヴァレリーが生まれた日

今日はポール・ヴァレリーが生まれた日(1871年)。日本では、アルベルト・アインシュタインの相対性理論をいちはやく理解した詩人として知られるようになった。小林秀雄訳「テスト氏」が早くから読まれ、詩は堀口大學が訳し、ヴァレリー自身と書簡のやり取…

アゴタ・クリストフが生まれた日

今日はアゴタ・クリストフが生まれた日(1935年)。ハンガリー出身の作家。『悪童日記』でデビュー。双子の少年達が戦時下の田舎町で成長し自立していくさまを描き、一人称複数形式(「ぼくら」)を用いて成功した稀有な小説として知られている。亡命の厳し…

規則正しい時計

長針がまた一つ動いた。まるですべてがいつもどおりだというように規則正しく。 【『喪失』カーリン・アルヴテーゲン:柳沢由美子訳(小学館文庫、2005年)】

神は奇蹟を起こさない

これは霊感というものに対する私の観念にとっては厄介な問題だった。というのも、もしも神がその気になれば、ちょいちょいと奇蹟のひとつも起こして、聖書の言葉を同一に保つくらい朝飯前であるはずなんだから。 【『捏造された聖書』バート・D・アーマン:…

「Kings of the Wild Frontier」アダム&ジ・アンツ

ちょうど私が雑誌『ミュージック・マガジン』を読み始めた頃、『アダムの王国』が出た。1980年のこと。海賊ファッションもさることながら、ブラス&ツインドラムの音が衝撃的だった。30年経った今でも時々聴いているよ。ニューロマンティックムーブメントの…

予算委員会の不思議

予算委員会は予算の審議をするところである。ところが国民は予算委員会で予算の議論を見た事がない。テレビ中継がある時は何を質問しても良い事になっているため、予算委員会では専ら「政治とカネ」の追及が行なわれてきた。何故予算委員会で「政治とカネ」…

武藤春光、弘中惇一郎、ジェローム・デュアメル

1冊挫折。1冊読了。 挫折77『安部英医師「薬害エイズ」事件の真実 誤った責任追及の構図』武藤春光、弘中惇一郎(現代人文社、2008年)/検察がどのように事件をでっち上げるかを、裁判の経過と併せて描かれている。安部医師は血友病治療の第一人者というだ…

フレドリック・ブラウンが生まれた日

今日はフレドリック・ブラウンが生まれた日(1906年)。SF黄金時代を代表する創作者の一人に数えられている。短編作品において高名であり、ロバート・シェクリイと並び称される。巧妙なプロットと驚くべき結末が特徴。ユーモアやポストモダン的作風は長編で…

過去と未来

人間にとって過去は、不思議に未来と似ているものである。かつてあったことを物語るのは、ほとんどつねに、これからあるであろうことを物語ることではなかろうか。 【『「絶対」の探求』バルザック/水野亮訳(岩波文庫、1939年)】 ・将来は過去の繰り返し…

「路上」Tha Blue Herb

まるで短篇小説だ。13分34秒の別世界。 Tha Blue Herb

『暗黒宇宙の謎』谷口義明(講談社ブルーバックス、2005年)

私たちに見えている宇宙の質量は宇宙全体の数パーセントにすぎない。残りは「暗黒物質」、「暗黒エネルギー」と呼ばれる正体不明なもので満ち溢れている。宇宙にはびこるさまざまな「ダーク」暗黒星雲、星間ガス、ブラックホールなどの実体を検証しながら、…

オーギュスト・エスコフィエが生まれた日

今日はオーギュスト・エスコフィエが生まれた日(1846年)。レストラン経営と料理考案・レシピ集の著述を通じて、伝統的なフランス料理の大衆化・革新に貢献した事で知られる。現在にいたるフランス料理発展の重要なリーダーとして、シェフと食通の間で偶像…

予測よりも理解

肝心なのは、予測することではなく理解することだ。 【『精神の自由ということ 神なき時代の哲学』アンドレ・コント=スポンヴィル/小須田健〈こすだ・けん〉、C・カンタン訳(紀伊國屋書店、2009年)】

うつ病:運動療法が効果 薬効きにくい人も改善 再発率低く

うつ病を運動で治す試みが注目されている。薬の効きにくい人が改善することがあるほか、再発率が低いとの研究成果も出ている。 首都圏に住む30代の男性会社員は、自宅近くを15分、週4回速歩きをしている。腕を大きく振り、ハアハアと息が弾むほどのスピード…

『戦争における「人殺し」の心理学』デーヴ・グロスマン/安原和見訳(ちくま学芸文庫、2004年)

本来、人間には、同類を殺すことには強烈な抵抗感がある。それを、兵士として、人間を殺す場としての戦場に送りだすとはどういうことなのか。どのように、殺人に慣れされていくことができるのか。そのためにはいかなる心身の訓練が必要になるのか。心理学者…

ニュートン別冊

1冊読了。 125冊目『みるみる理解できる相対性理論 改訂版』ニュートン別冊/佐藤勝彦監修、水谷仁編集(ニュートン プレス、2008年)/内容がイマイチで文章がイマサン。前にも書いた通り、イラストが大きすぎて文字が小さく感じてしまう。バランスの悪さが…

神秘時代のクリシュナムルティ/『大師のみ足のもとに/道の光』J・クリシュナムルティ、メイベル・コリンズ

・神秘時代のクリシュナムルティ・『自己変革の方法 経験を生かして自由を得る法』クリシュナムーティ著、メリー・ルーチェンス編 クリシュナムルティが14歳で記した一書。マスター・クートフーミからのお告げとされている。神智学協会の重要なテキスト。 こ…

ジェームズ・クックが生まれた日

今日はジェームズ・クックが生まれた日(1728)。キャプテン・クック。庶民からイギリス海軍の大佐に昇りつめ、太平洋に3回の航海を行い、オーストラリア東海岸に到達、ハワイ諸島を発見し、自筆原稿による世界周航の航海日誌を残し、ニューファンドランド島…

敗戦後に闇米を拒否して死んだ裁判官

多くの悲惨な結果を招いた、日本の官僚は有能で清潔だというこの共同幻想はいつごろ、そしてどのようにして成立したのであろうか。確信はないが、この幻想は、敗戦のすぐあとだったと思うが、ある裁判官が配給以外の米を食べることを拒否して栄養失調で死亡…

同時多発テロは「犯罪」であって「戦争」ではなかったはず

言うまでもなく、ニューヨークやワシントンで起こった同時多発テロは許しがたい犯罪です。しかし、それは「犯罪」であって「戦争」ではなかったはずです。ところが、アメリカ政府は、これはもう戦争である、したがって我々は報復戦争をする、と主張している…