古本屋の覚え書き

「ただ独り、不確かな道を歩め」エリアス・カネッティ

書評:時代物

力士は神と化した/『雷電本紀』飯嶋和一

・『汝ふたたび故郷へ帰れず』飯嶋和一 ・時代の闇を放り投げた力士・雷電為右衛門 ・力士は神と化した ・雷電為右衛門、登場 ・「拵(こしら)え相撲」に張り手を食らわせた雷電為右衛門・『神無き月十番目の夜』飯嶋和一 ・『始祖鳥記』飯嶋和一 ・『出星…

時代の闇を放り投げた力士・雷電為右衛門/『雷電本紀』飯嶋和一

・『汝ふたたび故郷へ帰れず』飯嶋和一 ・時代の闇を放り投げた力士・雷電為右衛門 ・力士は神と化した ・雷電為右衛門、登場 ・「拵(こしら)え相撲」に張り手を食らわせた雷電為右衛門・『神無き月十番目の夜』飯嶋和一 ・『始祖鳥記』飯嶋和一 ・『黄金…

学問への情熱が明治維新を導いた/『勝海舟』子母澤寛

・学問への情熱が明治維新を導いた・『青い空』海老沢泰久 ・『氷川清話』勝海舟 ・『海舟語録』勝海舟 20年以上前に読んだ。勝父子のべらんめえ調が小気味よかった。まさかその後、東京の下町に住むとは思わなかった。私が過ごした亀戸(江東区)は、勝海舟…

あやまちのない人生は味気ない/「橋の下」山本周五郎(『日日平安』所収)

・『一人ならじ』山本周五郎 ・胸打たずにはおかない人生模様の数々 ・あやまちのない人生は味気ない ・つつましい落魄 人生の奥深さを書かせれば、山本周五郎の右に出る作家は、まずいないだろう。哀感はしみじみと、そしてじわりと取り付き、読む者の背骨…

胸打たずにはおかない人生模様の数々/『日日平安』山本周五郎

・『一人ならじ』山本周五郎 ・胸打たずにはおかない人生模様の数々 ・あやまちのない人生は味気ない ・つつましい落魄・『松風の門』山本周五郎 本のタイトルは「にちにちへいあん」と読む。11篇が収められた短篇集。武家もの、人情もの、滑稽もの、推理も…

恋愛にしかドラマを見出せない若者へ贈る言葉/『三国志』吉川英治

『三国志』を読んだのは19歳の時だ。難しい漢字の覚えにくい名前が多数出てくることに、随分と閉口させられた。何度も繰り返される戦闘の見分けもつかなかった。『宮本武蔵』は1週間で読み終えたのだが、『三国志』は2〜3週間ほどかかったように記憶している…

石ころの価値/『一人ならじ』山本周五郎

・『一人ならじ』山本周五郎 ・石ころの価値・『日日平安』山本周五郎 ・『松風の門』山本周五郎 時代モノはさほど読んでいない。初めて読んだのは自宅にあった『宮本武蔵』(吉川英治著、講談社)だと記憶している。『水滸伝』『三国志』と進み、その後、『…

『青い空』海老沢泰久

・『殉教 日本人は何を信仰したか』山本博文 ・『勝海舟』子母澤寛 ・『青い空』海老沢泰久・『黄金旅風』飯嶋和一 ・『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹 ・『氷川清話』勝海舟 ・『海舟語録』勝海舟 ・キリスト教を知…

『高橋泥舟』吉川英治

「怖いのは驕慢だ。増長だ。心にいささかでも、驕慢のヒビが入れば、百年鍛錬の道業も一朝に崩廃しさる」 【(講談社)『新・水滸伝』所収】 高橋泥舟(でいしゅう)は、幕末三舟の一人で槍の達人。修行が深まるほど油断を恐れるのは一流の証。鍛錬とは、崖…

時代の波を飛び越え、天翔けた男の物語/『始祖鳥記』飯嶋和一

・『汝ふたたび故郷へ帰れず』飯嶋和一 ・『雷電本紀』飯嶋和一 ・『神無き月十番目の夜』飯嶋和一 ・時代の波を飛び越え、天翔けた男の物語 ・国産発のジェット旅客機MRJが初飛行・『黄金旅風』飯嶋和一 ・『出星前夜』飯嶋和一

「一人ならじ」山本周五郎

「戦場では幾千百人となく討死(うちじに)をする、誰がどう戦ったか、戦いぶりが善かったか悪かったか、そういう評判は必ずおこるものだ、わたくし一人ではない、なかにはそういう評判にものぼらず、その名はもとより骨も残さず死ぬ者さえある、そしてもの…

「薯粥」(『一人ならじ』所収)山本周五郎

中々、本を読む時間がなく、読んだとしても書評を書くほどの衝動が湧いてこないので(笑)、若き日の覚え書きを記し、所感を残しておこうと思う。 〈梶井図書介(ずしょのすけ)との一本勝負に勝ち、城主・水野監物(けんもつ)忠善から食禄500石で師範にと…

常在戦場の覚悟と生きざま/『一人ならじ』山本周五郎

人にどう見えるかではない。自分がどうあるかである。 メディアの発達はテレビ全盛の時代を招来し、活字文化などは脱ぎ捨てられた靴下ほどの位置に追いやられてしまった。そして情報化社会は人間同士のふれあいを不要なものへと貶(おとし)めつつある。 次…