古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

仏教

仏教へのいざない

東京大学仏教青年会

龍樹が「中論」で説いている縁起とは、因果関係と相依相関関係のどちらなのでしょうか?

OKWave

松本史朗「縁起と空」7,自灯明とは何か

三日坊主日記

自殺に関するブッダとクリシュナムルティの態度

自殺 仏教は自殺を本当に禁じているのか?

気づき(アウェアネス)に関する考察

『人はなぜ逃げおくれるのか 災害の心理学』広瀬弘忠 『新・人は皆「自分だけは死なない」と思っている 自分と家族を守るための心の防災袋』山村武彦 『人が死なない防災』片田敏孝 気づき(アウェアネス)に関する考察 東日本大震災の危機的状況を通して「…

新時代の法門

――そういえば、法華経の中には、例えば「序品」の中にも日月燈明仏が二万仏も次々に出現して、その最後の日月燈明仏が妙法蓮華を説くというくだりがありますね。また、「化城喩品」などでも大通智勝仏が出てきて16人の子供たちに『法華経』を説いたという記…

『バウッダ〔佛教〕』 中村元、三枝充悳(講談社学術文庫、2009年)

バウッダ──サンスクリット語で「仏の教えを信奉する人」の意である。2500年におよぶ歴史の中で、誤解と偏見に満ちた教学により誤伝されてきた釈尊の思想の壮大な全貌と、初期仏教の発生から大乗仏教、密教へと展開する過程を、膨大な経典群から探究。単なる…

『仏教とはなにか その思想を検証する』大正大学仏教学科編(大法輪閣、1999年)

現代人の感受性、ものの見方考え方、文化等を形造ってきた仏教という悠久の思想の潮流。時代時代に宝石のような輝きを放ってきた仏教思想を、硯学を結集して解説。これから仏教思想を学ぶ人に最適の入門書。

「仏教」という言葉について

仏教という言葉だが、明治以前は仏法と呼ばれていた。記事カテゴリーに「仏教」を設けているのだが、これは私の信条としては仏法と表記したいところである。ただ歴史としての仏教という意味合いもあるためそのままにしている。 仏の教えとしての仏教であれば…

北条時頼と『立正安国論』

〈この男……何者なのだ〉 時頼は背筋にしばしば寒気を覚えながら大部の書巻を読み終えた。 夏も真盛りを過ぎて7月も半ばだ。 いよいよ日蓮が得宗被官(とくそうひかん)の宿屋光則(やどや・みつのり)を通じて『立正安国論』と題する問答仕立てのものを時頼…

身延山久遠寺が不受不施派を弾圧

これに勢いをました身延山久遠寺は、寛永9〜10年の全国寺院の本末帳提出の折には、日蓮宗すべての派の総括を行なうようとの命令を幕府から得た。一方、不受不施派の頭目と目された妙覚寺に対しては、きびしい探索を行なうとともに、寛永10年の段階でもまだ不…

クリシュナムルティの悟りと諸法実相/『クリシュナムルティの神秘体験』J・クリシュナムルティ

・『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー クリシュナムルティの手帖より 1』J・クリシュナムルティ ・クリシュナムルティの悟りと諸法実相 ・プロセスとは形を変えた病苦か・『クリシュナムルティの日記』J・クリシュナムルティ ・ジドゥ・クリシュナムルティ…

鑑真が来日した日

今日は鑑真が仏舎利を携え薩摩坊津に来日した日(754年)。奈良時代の帰化僧で、日本における律宗の開祖。10年の歳月を経て6度目の渡航で、宿願の訪日を果たした。戒律の他、彫刻や薬草の造詣も深く、日本にこれらの知識も伝えた。また悲田院を作り貧民救済…

時間は未来から過去へと流れている

過去が現在や未来を決めているのだとしたら、現在や未来は過去に起こったことから生じる必然ということになりますから、私たちはそうやって過去からやってくる現在や未来を何もできずに黙って受け入れるしかないということになります。 つまり、過去に起こっ…

大谷探検隊がブッダの住んでいた霊鷲山を発見した日

今日は大谷光瑞率いる大谷探検隊がインドビハール州ラージギル郊外でブッダの住んでいた霊鷲山を発見した日(1903年)。数年後のインド考古局第3代目の長官ジョーン・マーシャルの調査によって国際的に承認された。同探検隊は更にマガダ国の首都王舎城を特定…

『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章』アルボムッレ・スマナサーラ(佼成出版社、2009年)

人生は論より正悟。ブッダが説いた「強く」「明るく」生きるための方程式。

仏教的時間観は円環ではなく螺旋型の回帰/『仏教と精神分析』三枝充悳、岸田秀

脳は言葉に支配されている。思考が言葉という情報によって成り立っている以上、人は言葉に束縛される。意識とは言語化可能な状態と言い換えてもよいだろう。 懐疑や批判の難しさもここにある。示された言葉【以外】の知識がなければ、そもそも判断のしようが…

『チベットの生と死の書』ソギャル・リンポチェ/大迫正弘、三浦順子訳(講談社+α文庫、2010年)

チベット仏教の師ソギャル・リンポチェが、チベット古来の智慧と、現代の宇宙の本質に関する研究成果を元に「生」とは何か、「死」とは何かを、宗教、国籍を問わず、すべての人が受け入れられるよう解説していく。死にゆく近親者を助けるために、自身の死の…

『パリジェンヌのラサ旅行』A・ダヴィッド=ネール/中谷真理訳(東洋文庫、1999年)

「神秘の国」の文化に心ひかれ、美しいチベット高原に魅了されたパリジェンヌが貧しい托鉢の巡礼者に扮し、たった二人で鎖国下のチベットに潜入した。心躍る冒険物語。全2巻完結。

仏教の実像をわかりやすく探る/『仏教の謎を解く』宮元啓一

決して悪い本ではない。初心者向けの内容でありながらも、きちんと要所を衝いている。手放しで褒めるわけにいかないのは著者が放つ嫌な臭いである。尊大かつ傲慢な素振りを私は感じた。ほんの数ページではあるが結果的に全体を台無しにしてしまっている。 と…

インド思想へのいざない

沼津高専・教養科・哲学

中村元−岩波文庫

来年はクリシュナムルティを再読しつつ、初期仏教との比較を試みる。手始めに岩波文庫から出ている中村元に取り掛かる予定。余裕があれば浄土三部経にも手をつける。

『仏教の身体技法 止観と心理療法、仏教医学』影山教俊(国書刊行会、2007年)

仏教の教えに身体性をもたせ、真に仏教を理解するために、日本人が失ってしまった伝統的な感性の文化を取り戻す。仏教の瞑想「止観」に科学的なアプローチ。

『大乗とは何か』三枝充悳(法蔵館、2001年)

釈尊の「苦」から生まれた仏教は、どのようにして世界宗教である「大乗仏教」へと変貌したのか。一人のさとりに始まり、一切衆生の救済に向かった大乗の歴史を、今なお広い信仰を集める多様なほとけや、般若経を中心とした経典群をもとにあざやかに読み解く…

『原始仏典』中村元監修、森祖道、橋本哲夫、浪花宣明、渡辺研二、岡野潔、入山淳子、岡田行弘、岡田真美子、 及川真介、羽矢辰夫、平木光二、松田慎也、長尾佳代子、勝本華蓮、出本充代訳(春秋社、2003年)

様々な比喩を用い、民衆を仏の道に導こうとしたブッダの心が、今、よみがえる。最新の研究成果に基づき、流麗なわかりやすい訳文でおくる原始仏典現代語訳の決定版。 第一巻:『聖なる網の教え(梵網経)』『修行の成果(沙門果経)』『真のバラモン(種徳経…

岡野潔「仏陀の永劫回帰信仰」に学ぶ その一

・岡野潔「仏陀の永劫回帰信仰」に学ぶ その一 ・岡野潔「仏陀の永劫回帰信仰」に学ぶ その二・『21世紀の宗教研究 脳科学・進化生物学と宗教学の接点』井上順孝編、マイケル・ヴィツェル、長谷川眞理子、芦名定道 ・『業妙態論(村上理論)、特に「依正不二…

大乗仏教運動の担い手は革新的な出家僧だった

以前は、大乗仏教は、複雑きわまるスコラ的論争に熱中して、人々の救済をほったらかしにした僧院中心の仏教に愛想をつかした在家の信者たちが起こした運動からはじまったという説があったが、現在では否定されている。いわゆる大乗仏教運動は、僧院の中の革…

茂木健一郎氏の連続ツイート「無記」に関する違和感

茂木健一郎氏の連続ツイート「無記」に関する違和感。無記が「大切な問い」に変質している。無記は圧倒的な沈黙にこそ意味があるのだ。ブッダが示したのは思考や言論の詐術であったに違いない。それは対話が論争へと堕落することを拒否した姿勢でもあった。…

鎌倉時代の国土認識

当時の人々の国土認識は、天皇−洛中−西国と、「周縁」としての東国・南九州として定式化されるという。日蓮の認識も、基本的には天皇を「国王」と認め、「中心」を京(洛中)に求めるものであった。 しかし一方で日蓮は、鎌倉執権北条氏を「国主」として実質…

名もない人々の歴史こそ本当の歴史である

名もない人々の歴史こそ、本当の歴史である。 日本史の勉強をはじめたばかりの頃、私が先学の仕事から鮮烈に受け取ったメッセージはこのことだった。最近の歴史書がとかく大文字でばかり書かれるのを見るにつけ、私はいいものを先学から頂戴したと思っている…