古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

両親の目の前で強姦される少女/『女盗賊プーラン』プーラン・デヴィ

・両親の目の前で強姦される少女・『不可触民 もうひとつのインド』山際素男・必読書リスト その二 読んだのは二度目だ。三度目は多分ないだろう。私は確かにプーランの怒りを受け取った。胸の内に点火された焔(ほのお)が消えることはない。私が生きている…

究極のペシミスト・鹿野武一/『石原吉郎詩文集』〜「ペシミストの勇気について」

・『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行・『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子・『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子・『生きぬく力 逆境と試練を乗り越えた勝利者たち』ジュリアス・シーガル・『…

若きパルチザンからの鮮烈なメッセージ/『イタリア抵抗運動の遺書 1943.9.8-1945.4.25』P・マルヴェッツィ、G・ピレッリ編

・『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行・『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子・『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子・『生きぬく力 逆境と試練を乗り越えた勝利者たち』ジュリアス・シーガル・『…

原題は『これが人間か』/『アウシュヴィッツは終わらない これが人間か』プリーモ・レーヴィ

・『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行・『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子・『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子・『生きぬく力 逆境と試練を乗り越えた勝利者たち』ジュリアス・シーガル・『…

「生きる意味」を問うなかれ/『それでも人生にイエスと言う』ヴィクトール・E・フランクル

・『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行・『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子・『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子・『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』ヴィクトール・E・フランクル ・「生…

ナチスはありとあらゆる人間性を破壊した/『夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録』ヴィクトール・E・フランクル

・『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行・『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子・『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子 ・ナチスはありとあらゆる人間性を破壊した ・極限状況を観察する視点 ・生き…

行間に揺らめく怒りの焔/『自動車の社会的費用』宇沢弘文

・『記者の窓から 1 大きい車どけてちょうだい』読売新聞大阪社会部〔窓〕・『交通事故鑑定人 鑑定暦五〇年・駒沢幹也の事件ファイル』柳原三佳 ・行間に揺らめく怒りの焔 ・新自由主義に異を唱えた男・『交通事故学』石田敏郎・『「水素社会」はなぜ問題か …

台湾の教科書に載る日本人・八田與一/『台湾を愛した日本人 土木技師 八田與一の生涯』古川勝三

・『医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む』中村哲・『セデック・バレ』魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督・特集『KANO 1931海の向こうの甲子園』馬志翔(マー・ジーシアン)監督 ・台湾の教科書に載る日本人・八田與一・『街道をゆく 40 …

陸軍中野学校の勝利と敗北を体現した男/『たった一人の30年戦争』小野田寛郎

・『小野田寛郎 わがルバン島の30年戦争』小野田寛郎 ・陸軍中野学校の勝利と敗北を体現した男 ・人間が怖かった ・残置諜者の任務を全うした男・『小野田寛郎の終わらない戦い』戸井十月・『奇蹟の今上天皇』小室直樹・『F機関 アジア解放を夢みた特務機関…

沖仲仕の膂力と冷徹な眼差し/『魂の錬金術 エリック・ホッファー全アフォリズム集』エリック・ホッファー

・『エリック・ホッファー自伝 構想された真実』エリック・ホッファー ・沖仲仕の膂力と冷徹な眼差し ・自己犠牲 情熱の大半には、自己からの逃避がひそんでいる。何かを情熱的に追求する者は、すべて逃亡者に似た特徴をもっている。 情熱の根源には、たいて…

マントラと漢字/『楽毅』宮城谷昌光

・『天空の舟 小説・伊尹伝』宮城谷昌光・『孟嘗君』宮城谷昌光・『長城のかげ』宮城谷昌光 ・マントラと漢字 ・勝利を創造する ・気格 ・第一巻のメモ ・将軍学 ・王者とは弱者をいたわるもの ・外交とは戦いである ・第二巻のメモ ・先ず隗より始めよ ・大…

大いなる人物の大いなる物語/『孟嘗君』宮城谷昌光

・『天空の舟 小説・伊尹伝』宮城谷昌光・『湖底の城』宮城谷昌光 ・大いなる人物の大いなる物語 ・律令に信賞必罰の魂を吹き込んだ公孫鞅 ・孫子の兵法 ・田文の光彩に満ちた春秋 ・枢軸時代の息吹き・『長城のかげ』宮城谷昌光・『楽毅』宮城谷昌光・『奇…

「文字禍」/『中島敦』中島敦

・『廃市・飛ぶ男』福永武彦・『物語の哲学』野家啓一 ・「文字禍」・必読書 その一 ナブ・アヘ・エリバは最後にこう書かねばならなかった。「文字ノ害タル、人間ノ頭脳ヲ犯シ、精神ヲ麻痺セシムルニ至ッテ、スナワチ極マル。」文字を覚える以前に比べて、職…

行き交う過去と未来/『運転者 未来を変える過去からの使者』喜多川泰

・『賢者の書』喜多川泰・『君と会えたから……』喜多川泰・『手紙屋 僕の就職活動を変えた十通の手紙』喜多川泰・『心晴日和』喜多川泰・『「また、必ず会おう」と誰もが言った 偶然出会った、たくさんの必然』喜多川泰・『きみが来た場所 Where are you from…

敗戦の心情/『ビルマの竪琴』竹山道雄

・『昭和の精神史』竹山道雄・『竹山道雄と昭和の時代』平川祐弘・『見て,感じて,考える』竹山道雄・『西洋一神教の世界 竹山道雄セレクションII』竹山道雄:平川祐弘編・『剣と十字架 ドイツの旅より』竹山道雄 ・敗戦の心情 ・「一隅を守り、千里を照ら…

ジョルジュ・メリエスへのオマージュ/『ユゴーの不思議な発明』ブライアン・セルズニック

・ジョルジュ・メリエスへのオマージュ・必読書リスト それ以来、ユゴーは1日中、うす暗がりの中で時計の手入れをするようになった。ユゴーはいつも、自分の頭の中にもたくさんの歯車や部品が詰まっているような気がして、どんなものであれ、手を触れた機械…