古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

中東

喧嘩のできる中東研究者/『書物の運命』池内恵

普段は殆ど注目されることのない分野から、いきなり頭角を現して世間の耳目を集める本がある。藤原正彦や福岡伸一など。池内恵もその一人に加えられる人物である。 池内は1973年生まれ。私自身が40代後半になったせいもあるが、やはり若く感じる。時代が激し…

イランはアラブ民族ではない

中国−大躍進政策の失敗と文化大革命 戦争と真実 イランはアラブ民族ではない 『そうだったのか! 現代史 パート2』池上彰 中東地域のアラブ諸国はアラブ民族ですが、イラン国民の多数はペルシャ民族です。 【『そうだったのか! 現代史』池上彰(ホーム社、2…

ムバーラク政権が与えた屈辱〜エジプト現代圧政史

Kousyoublog ユースフ・イドリース著「黒い警官」は実際に起こった事件を元にして書かれた小説だ。

十字軍運動の失敗と成功

こうして、聖地の回復という意味では、十字軍運動は成功とはいえませんでした。しかし、7回以上にもおよんだこの大遠征で、ヨーロッパ人は、イスラム世界との交易の筋道をつけることに成功しました。また、当時、自分たちのそれよりはるかに高いレヴェルにあ…

パレスチナ人には検死すら認められない

イスラエルの警官らが人種差別的な侮辱の言葉をアラビア語で言うのを聞いたムハンマドは、遮蔽物の陰から飛び出し、抗議しようとした。その瞬間、弾丸の雨に見舞われ、その場で亡くなった。遺体が病院に運ばれたあと、家族は息子の死の理由を明らかにするた…

パレスチナ人消防士に入国拒否 消火の恩人をイスラエル

イスラエル北部で40人以上が死亡した森林火災で、消火活動の支援に駆け付けたとしてイスラエルで表彰予定だったヨルダン川西岸のパレスチナ人消防士約10人のうち3人が14日、検問所でイスラエル入国を拒否され、表彰式が中止となった。AP通信などが伝えた。 …

人間を民族や部族、宗派の違いだけで憎むことの愚かさ

今シーズン、バグダットの〈ザウラ〉で19ゴールを決めて、“フィールドのスナイパー”の異名をとった22歳のFWアフマド・ムナージドが、仲間を代弁するように言った。五輪代表も兼務する彼は、スンニ派である。 「スンニもシーアも、我々にとっては大きな問題じ…

バルフォア宣言の日

今日はバルフォア宣言の日(1917年)。第一次世界大戦中に、英外相アーサー・ジェームズ・バルフォアが、イギリスのユダヤ人リーダーであるライオネル・ウォルター・ロスチャイルドに宛てた書簡でイギリス政府のシオニズム支持を表明した。パレスチナの悲劇…

バルフォア宣言の背景にユダヤ資本あり

ユダヤ人は、1000年にわたって、ヨーロッパで生活し、ロシア、ポーランド、ギリシャ、イタリア、フランス、イギリスなどに分散していた。彼らが唯一保存していたのはその宗教であり、「選ばれた民」という考えだった。……(中略) 特にローマ教会がキリストは…

ユダヤ人移民は分割統治の道具

ヨーロッパ植民地主義の支援のもとに目的を遂げようとしたシオニズム運動は「アジアに対するヨーロッパの防壁となり、野蛮に対する文明の前哨」(ヘルツル『ユダヤ人国家』)としての役割を果たすと約束し、ユダヤ人国家設立を支持してくれるよう、諸国に頼…

エドワード・サイードが生まれた日

今日はエドワード・サイードが生まれた日(1935年)。主著の『オリエンタリズム』でオリエンタリズムの理論とともにポストコロニアル理論を確立。イスラエル領とその占領地域およびそれ以外の土地に住むパレスチナ人の権利を擁護した。 エドワード・サイード…

中東和平問題 「パレスチナ人は災いだ、子どもを殺すことも許される」とラビは説教する

大野和興

『ホロコーストからガザへ パレスチナの政治経済学』サラ・ロイ/岡真理、小田切拓、早尾貴紀編訳(青土社、2009年)

「パレスチナ問題」を経済学的に分析し、世界的に注目される著者が明らかにするイスラエルの占領実態と国際社会の援助の行方。ホロコースト生存者の娘という出自から問う、人間の記憶と倫理への思考。 岡真理

普段通りの暮らしを続けることが人々のインティファーダだった

パレスチナといえば、私たちはたいてい、過激派による自爆テロを思い浮かべます。そしてインディファーダといえば、自爆テロか投石による抵抗運動のことだと思っています。 でも、私が見たインティファーダは違いました。 侵攻を受けて家を壊され、家族を殺…

祈りとしての文学

『わたしを離さないで』は、アウシュヴィッツへの応答であると同時に、サルトルの問いに対する、作家イシグロの実践的応答として読むことができるだろう。彼らは人間らしくその生をまっとうすることはできないのだと、世界から当然のように見なされ、その生…

霊よ、風となって私を吹き飛ばせ

妻が自爆テロを実行した。それを知った夫の心情―― 交信してくる霊よ、にぎやかな霊よ、この家にとりつくがいい、願わくばすきまを拭き抜けていく風となり、あるいは窓を突き破るほどの嵐となって、私を遠く、うんと遠くまで吹き飛ばしてくれ。今の私の内臓を…

IAEA理事会:「イスラエル核」議題に…91年以来初

国際原子力機関(IAEA)の6月定例理事会が7日、開会した。イランの核開発問題などに加え、事実上の核兵器保有国とみられているイスラエルの「核能力」についても、92年以来初めて理事会の議題になった。 パレスチナ自治区ガザ地区に向かった支援船団をイスラ…

イスラエルと世界:深まる孤立感

JBpress 2010-06-08

「We Con the World」(私達は世界を騙す)

以下、gloomynewsのつぶやきより引用―― プロパガンダ戦争:イスラエルのコメディテレビLatma TVがガザ支援船事件に関するイスラエル批判報道を皮肉ったパロディPVを公開。「We are the world」の替え歌で、「We Con the World」と題するビデオ。 「We Con th…

銃弾が食い込んだままの教科書

ヨルダン川西岸のジェニンでは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する女子小学校を訪ねました。3月4日からの5日間におよぶ侵攻で、戦車によって爆撃を受け、校庭も校舎も銃弾の跡で穴だらけでした。 ある女の子が、私にノートを見せてくれまし…

被爆者夫婦がパレスチナへ:切り倒されたオリーブでパンフルート

パレスチナ人を虐殺した司令官の保釈金は何と10円以下

多くの人は信じられない、と言うかもしれない。あのアウシュビッツを経験した人々が、他人にそんなひどい仕打ちができるはずがない、と。ましてユダヤ人が非武装のパレスチナ人を虐殺することなど想像もできないに違いない。しかし現実には、そうしたことが…

憎悪が祈りと化す時

2000年10月29日、理髪店で散髪したあと、ホスニーは、衝突が起きているサラフッディーン門へ出掛け、そこで頭を打ち抜かれて即死した。息子の死にすべての自制を失った母親は、両手を天に掲げ、ほおをなき濡らしながら祈った。「アッラーよ、私の息子を殺し…

アフガニスタン農業用水路25.5キロ完工式 ペシャワール会が建設

アフガニスタンの砂漠を緑に変えた男/『医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む』中村哲

戦火広がるアフガン 「学校を作る」医師の挑戦

中村哲

渇いた大地にまいた種 アフガンから届いた命の写真

伊藤和也の生と死は、何と多くの言葉を生んだことだろう。 菜の花畑の笑顔と銃弾 中村哲

アフガニスタンの砂漠を緑に変えた男/『医者、用水路を拓く アフガンの大地から世界の虚構に挑む』中村哲

・『マスードの戦い』長倉洋海 ・アフガニスタンの砂漠を緑に変えた男 ・百の診療所よりも一本の用水路 ・食糧不足と脱水症状で死んでゆくアフガニスタンの子供たち・台湾の教科書に載る日本人・八田與一/『台湾を愛した日本人 土木技師 八田與一の生涯』古…

英国がイスラエル外交官を国外追放、ハマス幹部暗殺事件で

ホロコーストの反動によって作られた人工国家イスラエルは、過去の恨みを晴らすためにナチス化せざるを得ない。 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイのホテルでパレスチナのイスラム原理主義組織ハマス幹部が暗殺された事件で、ミリバンド英外相は23日、容疑者グ…

「太陽の男たち」の冒頭

アブー・カイスは湿り気をおびた土に胸を憩わせた。すると大地は身体の下で息づき始めた。心臓の鼓動はもの憂く脈打ちながら砂の粒子に伝わり、それから彼の細胞のすみずみに行きわたった。砂の上に腹這いになるたびに彼はこの脈動を感じ取る。それはちょう…

ヤーヴェ=エホバ

約束してくれたとしても、ユダヤ人は、“約束の地”を結局は力で奪い取らざるをえなかった。パレスチナ人は、ヤーヴェなんか信じていなかったから……。 (ユダヤ人は自らの行為を正当化するために、自分たちをヤーヴェによって「選ばれた民」と規定した。) ヤ…