古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

1999-01-01から1ヶ月間の記事一覧

魂を射抜く、物語の気高さ/『野に降る星』丸山健二

1月29日深夜零時、読了。放心状態。言葉を失うほどの感動。心酔、では及ばない。圧倒、でも足りない。 「やってくれたな」言葉にならない言葉が胸の裡(うち)で竜巻と化す。魂を撃たれた。射抜かれたと言ってもいいだろう。昂(たか)ぶる心が夜の静寂に包…

孤独な魂が発する鮮烈なメッセージ/『小説家の覚悟』丸山健二

・孤独な魂が発する鮮烈なメッセージ・『メッセージ 告白的青春論』丸山健二 痺れた。心が震えると言うよりは、痺れたと言った方が正確だ。打たれたと言ってもよい。地震ではなく雷のそれだ。 私が始めて丸山の作品を手にしたのは、今から7年前のことだ。以…