書評:芸能

豊かな語りの文化/『タレントその世界』永六輔

永六輔による聞き書きシリーズ三部作の一つ。岩波書店から『芸人 その世界』と『役者 その世界』は復刊されているのだが、本書は絶版のまま。岩波に都合の悪い内容でもあるのだろうか? 講談は読むという。 義太夫は語るという。 落語は話すという。 長唄は…

『タレントその世界』永六輔

忘れ難い本がある。いたく感動した作品なんぞもそうなんだが、探し続けた挙げ句にやっと見つけた本の方が生々しい記憶となって脳味噌に刻み込まれている。私の場合だと、丸山健二の『メッセージ 告白的青春論』(文藝春秋)や、ハリソン・E・ソールズベリー…

『ラジオの鉄人 毒蝮三太夫』山中伊知郎

心を響かせて発せられたものが言葉だとすれば、声に心根が現れると言って良いだろう。この間読んだ藤原伊織著『てのひらの闇』(文藝春秋)には、会長秘書の言葉を称して「ステンレスの定規みたいに事務的な声」なんてのがあったが、巧いもんだね。生の言葉…