木村敏


 1冊読了。


 141冊目『異常の構造木村敏〈きむら・びん〉(講談社現代新書、1973年)/微妙。私の手元にあるのは1983年発行の14刷。思考、文章は極めて明晰。しかし如何せん内容が古い。統合失調症について存在論的アプローチを試みているのだが、その病因を現在では否定されている家庭環境にありとしている。論の進め方も荒っぽい。宮本省三の本を初めて読んだ時と全く同じ印象を受けた。微妙と書いたのは、当時の医学常識のせいか、あるいは木村が才走っているのかが判断しにくいためだ。思想構築のために患者を利用しているような気がしないでもない。