書評:数学

数学者の名言/『新装版 数学・まだこんなことがわからない 難問から見た現代数学入門』吉永良正

数学の未解決問題を初心者にわかりやすく解説した良書で、講談社出版文化賞を受賞したのも頷ける。数式を無視しても十分堪能できる。 美という次元において、数学はもっとも宗教に近い学問であると私は思っている。また、数学が対象とする量、構造、空間も極…

数の概念/『異端の数ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念』チャールズ・サイフェ

ゼロをめぐる衝突は、哲学、科学、数学、宗教の土台を揺るがす争いだった 数の概念 太陽暦と幾何学を発明したエジプト人 ピュタゴラスにとって音楽を奏でるのは数学的な行為だった ゼロから無限が生まれた パスカルの賭け 『宇宙を復号(デコード)する 量子…

ソフィー・ジェルマン/『フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』サイモン・シン

ピュタゴラスは鍛冶屋で和音を発見した ソフィー・ジェルマン 川の長さは直線距離×3.14 ピタゴラスの定理 ピタゴラスの証明は二重の意味で重要だった 図書室の一冊の雑誌をめぐる偶然の出会いが数学史を変えた ガロア ソフィー・ジェルマン(1776-1831)は女…

G・H・ハーディはラマヌジャンを警戒した/『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル

ハーディは当代きっての数学者であった。しかし、このケンブリッジ大学教授ですら、ラマヌジャンの数学理論を「狂人のたわごと」程度にしか思っていなかった。ハーディ以外の数学者にもラマヌジャンは手紙を出していたが、誰一人としてまともに扱おうとする…

ゼロをめぐる衝突は、哲学、科学、数学、宗教の土台を揺るがす争いだった/『異端の数ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念』チャールズ・サイフェ

ゼロをめぐる衝突は、哲学、科学、数学、宗教の土台を揺るがす争いだった 数の概念 太陽暦と幾何学を発明したエジプト人 ピュタゴラスにとって音楽を奏でるのは数学的な行為だった ゼロから無限が生まれた パスカルの賭け 『宇宙を復号(デコード)する 量子…

アインシュタインを超える天才ラマヌジャン/『無限の天才 夭逝の数学者・ラマヌジャン』ロバート・カニーゲル

ラマヌジャンの名前は知っていたが、功績の内容についてはまったく知らなかった。ところが、藤原正彦の文章を読んで興味を掻き立てられた―― ただ、ラマヌジャンの公式の放つ異様な輝きを、これらだけに帰着させようとするのは、単に我々がほかの要因を思いつ…

逆境が試す人間の真価/『生きること 学ぶこと』広中平祐

広中平祐といえばフィールズ賞である。彼の受賞によって、私はフィールズ賞なるものの存在を知ったくらいだ。ノーベル賞って数学がなかったんだね。創始者のノーベルと某数学者の不仲が影響しているとも囁かれている。 功成り名を遂げたからといって、道徳を…

神話を覆す否定性/『ゲーデル・不完全性定理 “理性の限界”の発見』吉永良正

ソクラテスやピュタゴラスのもとでは、多くの女性が学んでいた。しかしその後の女性からは、学ぶ機会が奪われた。中世にあって西洋では聖職者にならない限り、男性ですら専門的な勉強はできなかった。そして、魔女狩りの嵐がよりいっそう女性蔑視を駆り立て…

ピュタゴラスは鍛冶屋で和音を発見した/『フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』サイモン・シン

ピュタゴラスは鍛冶屋で和音を発見した ソフィー・ジェルマン 川の長さは直線距離×3.14 ピタゴラスの定理 ピタゴラスの証明は二重の意味で重要だった 図書室の一冊の雑誌をめぐる偶然の出会いが数学史を変えた ガロア フェルマーの最終定理は、イギリスのア…

アキレスと亀/『無限論の教室』野矢茂樹

「アキレスと亀」はゼノンのパラドックスの一つ。ここから無限を探る―― 「無限の命令系列です。果たしてアキレスはこの命令を完了できるか。不可能です。われわれは無限回の命令をやり遂げることなどできません。終わりがないからです。このように、アキレス…