中東
水晶の如く硬質で透明な文体、時折奏でられる叙情、そして一筋縄ではゆかないストーリーを揺るがぬ構成が支える。これがヤスミナ・カドラの世界だ。アルジェリア軍の元将校が描く物語は、ピアノソロのように流麗で、控え目に弦楽器が配されている。あるいは…
1冊読了。 136冊目『テロル』ヤスミナ・カドラ/藤本優子訳(早川書房、2007年)/傑作。ガッサーン・カナファーニーやユースフ・イドリースほどのインパクトはないが、水晶の如き文体と構成が素晴らしい。ヤスミナ・カドラはアルジェリア軍の元将校だという…
イラクの首都バグダッドで昨年12月、ブッシュ米大統領(当時)に靴を投げたイラクのテレビ記者ムンタゼル・ザイディ氏が1日、パリで記者会見中、別のイラク人から靴を投げられる騒ぎがあった。英BBC放送などが伝えた。 靴はザイディ氏がかわしたため当たらな…
・『パレスチナ 新版』広河隆一 ・虫けらみたいに殺されるパレスチナの人々 ・銃弾が食い込んだままの教科書 ・普段通りの暮らしを続けることが人々のインティファーダだった ・パレスチナ人は普通の暮らしも望めない 幼稚園の先生がパレスチナへ行った。彼…
数字は個別の物語を捨象する。例えば、完全失業者数は359万人(2009年7月)、65歳以上の人口は2640万人(2006年9月)、交通事故による死者数は5155人(2008年)、自殺者は3万2249人(2008年)などを見ても明らかなように、個々人の顔が全く浮かんでこない。…
イスラエル問題を知れば知るほど暗澹(あんたん)たる気持ちになってくる。世界がどうしてこれほどパレスチナを無視するのかが全く理解できない。 結局のところ、パレスチナってのはイギリスから見た場合、単なる空き地に過ぎなかったということだ。第一次世…
イスラエルのギデオン・サール(Gideon Saar)教育相は21日、国内のアラブ人学校で使う教科書で、イスラエル建国をめぐる記述にアラビア語で「大災厄」を意味する「ナクバ(Nakba)」という言葉を使用することを禁止すると発表した。次回の教科書改定時から…
「ガザでの軍事行動では、戦闘員と民間人を区別する必要はない」とイスラエル兵は命令されていた。
・『アラブ、祈りとしての文学』岡真理 ・暴力が破壊するもの 1 ・暴力が破壊するもの 2 ・暴力が破壊するもの 3・必読書リスト その二 「私」とシャウキーは、往診のためアッバースのもとを訪れる。アッバースの夫人に病状を確認している最中、奥の部屋から…
アラブ世界のイスラム教徒の手によるエッセー、小説、旅行記、ならびに映画を分析し、広く共有される他者のイメージがどのようなものであるかを紹介する。さらにアメリカに代表される他者批判が、実際にはその多くが自己批判的な性格を持つものであること、…
イスラエルの人権団体が100台のビデオカメラをパレスチナ人に渡し、日常生活を撮影してもらった。
・暴力が破壊するもの 1 ・暴力が破壊するもの 2 ・暴力が破壊するもの 3・必読書リスト その二 前回は登場人物のシャウキーを紹介した。今回はアッバースを取り上げる。実は彼こそが「黒い警官」だった―― このアッバース・マフムード・アルザンファリーなる…
・暴力が破壊するもの 1 ・暴力が破壊するもの 2 ・暴力が破壊するもの 3・必読書リスト その二 暴力を振るう側と振るわれる側との関係、暴力の様相、暴力の意味、暴力の影響、そして暴力の成れの果て……。この小説の主人公は暴力である。 広河隆一著『パレス…
物語には作者が存在する。そして、物語には意図が託されている。ユダヤ人を取り巻く物語は、ユダヤ人が創作したものが殆どで、脚色のレベルを超えて歴史捏造(ねつぞう)の領域に達している。 シオニズムというペンで書かれた物語を流布させたのはロスチャイ…
ロンドンに拠点を置く国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は2日、前年12月〜今年1月のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ(Gaza)地区攻撃に関する報告書を発表し、イスラエル軍が子どもたちを「人間の盾」として使い…
・『物語の哲学』野家啓一 ・『死と狂気 死者の発見』渡辺哲夫 ・自爆せざるを得ないパレスチナの情況 ・9.11テロ以降パレスチナ人の死者数が増大 ・愛するもののことを忘れて、自分のことしか考えなくなったとき、人は自ら敗れ去る ・物語の再現性と一回性 …
1 小説、この無能なものたち 『文学は何ができるか』サルトル/平井啓之訳(弘文堂、1966年) 『良心の領界』スーザン・ソンタグ/木幡和枝訳(NTT出版、2004年) 『アウシュヴィッツは終わらない あるイタリア人生存者の考察』プリーモ・レーヴィ/竹山博英…
パレスチナを取り巻く問題(※断じてパレスチナ問題ではない。その本質はイスラエル問題であり、ユダヤ問題だ)を指摘できない人や団体は、欧米の支配下で生きる人々であると言ってもいいだろう。その一方で左翼は、自分達の政治目的のために利用する。
1936年、英国委任統治下のパレスチナの、地中海岸の都市アッカーで弁護士の家庭に生まれたカナファーニーは、1948年、ユダヤ人国家の建国により、12歳で難民となった。ダマスカスの難民キャンプで苦学したのち、56年、クウェイトへ渡り、国連パレスチナ難民…
公式サイト 広河隆一
・パレスチナ人の叫び声が轟き渡る・必読書リスト その二 ガッサーン・カナファーニーは現代アラブ文学を代表する作家の一人。そして彼はパレスチナ解放人民戦線のスポークスマンでもあった。イスラエル建国に伴って12歳の時に難民となり、二十歳(はたち)…
『パレスチナ 新版』広河隆一〈ひろかわ・りゅういち〉(岩波新書、2002年)
・9.11テロは物質文明の幻想を破壊した ・ロスチャイルド家がユダヤ人をパレスチナへ送り込んだ ・ユダヤ人移民は分割統治の道具 ・アラファト前議長、毒殺された可能性 遺骨からポロニウム検出・『「パレスチナが見たい」』森沢典子 一般的には「パレスチナ…
・9.11テロは物質文明の幻想を破壊した ・ロスチャイルド家がユダヤ人をパレスチナへ送り込んだ ・ユダヤ人移民は分割統治の道具 ・アラファト前議長、毒殺された可能性 遺骨からポロニウム検出・『「パレスチナが見たい」』森沢典子・必読書リスト その二 …