パレスチナ人には検死すら認められない

 イスラエルの警官らが人種差別的な侮辱の言葉をアラビア語で言うのを聞いたムハンマドは、遮蔽物の陰から飛び出し、抗議しようとした。その瞬間、弾丸の雨に見舞われ、その場で亡くなった。遺体が病院に運ばれたあと、家族は息子の死の理由を明らかにするために検死を望んだが、イスラエルの所轄警察は家族に遺体を持って帰るよう命じ、検死は一切認めず、死亡原因を書いた死亡証明書を発行するのも拒んだ。(ムハンマド・ジャバーリーン、24歳)


【『シャヒード、100の命 パレスチナで生きて死ぬこと』アーディラ・ラーイディ/イザベル・デ・ラ・クルーズ写真/岡真理、岸田直子、中野真紀子訳(「シャヒード、100の命」展実行委員会、2003年)】


シャヒード、100の命―パレスチナで生きて死ぬこと