普段通りの暮らしを続けることが人々のインティファーダだった

 パレスチナといえば、私たちはたいてい、過激派による自爆テロを思い浮かべます。そしてインディファーダといえば、自爆テロか投石による抵抗運動のことだと思っています。
 でも、私が見たインティファーダは違いました。
 侵攻を受けて家を壊され、家族を殺されても、花を植え、パンの宅配を続ける町の人たち。冗談を飛ばし、大声で笑い、旅人をもてなす家族。
 爆撃を受けて壁に大きな穴が開き、外から丸見えの部屋で、人々はコーヒーを飲みながら家族や友人たちと過ごす穏かな時間を楽しんで、私と目が合うと「ウェルカム!」とミントティーを差し出したり、笑いかけたりしていました。ふだん通りの暮らしを続けること、それこそが人々のインティファーダ、抵抗運動でした。


【『「パレスチナが見たい」』森沢典子〈もりさわ・のりこ〉(TBSブリタニカ、2002年)】


パレスチナが見たい