古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

クリシュナムルティ

『わが読書』ヘンリー・ミラー/田中西二郎訳(新潮社、1960年)

『クリシュナムルティの瞑想録 自由への飛翔』J・クリシュナムルティ/大野純一訳(平河出版社、1982年)の「訳者あとがき」によれば、ヘンリー・ミラーが一章を割いてクリシュナムルティを論じているとのこと。 わが読書 ヘンリー・ミラー全集 第11巻 わが…

比較が分断を生む/『学校への手紙』J・クリシュナムルティ

「人間は人間を利用し食いものにしてきた」の続き―― この手紙でクリシュナムルティは、分断された人間関係の様相を照射する―― 私たちは人間関係をバラバラに解体してしまっているので、人間関係は、ある特定の人物に対する関係、ある特定のグループに対する…

人間は人間を利用し食いものにしてきた/『学校への手紙』J・クリシュナムルティ

長いテキストなので3回に分けて紹介しよう。 法華経の展開に広・略・要(こう・りゃく・よう)という三種類がある。広は広く全体に行き渡るもので、略は簡略したもの、要は肝要・エッセンスとなる。クリシュナムルティの言説には明らかに意図的な省略が窺え…

言葉によらないコミュニケーションの存在

しかしながら、ことばによらないコミュニケーションがあります。 それは、あなたと私のどちらもが、同時に、同じレベルで真剣であり、熱烈であり、直接的であるときに生じるものです。 そのとき、ことばによらない「コミュニケーション」があるのです。その…

組織化

一読者からクリシュナムルティの料理人となった青年 組織化 彼はこの集まりは対話が目的で誰でも参加出来ること、自分は権威者でも何でもないことを強調することで話をはじめた。対話が展開していくにつれ、参加者の数は多くなり、元気な意見の交換が続いた…

クリシュナムルティ公式サイト&動画

J.Krishnamurti Online Krishnamurti Foundation India Krishnamurti Foundation of America The Krishnamurti Centre Krishnamurti Australia Jiddu Krishnamurti - Quotes, personal remembrances and history Krishnamurti Information Network Jiddu Kri…

ジドゥ・クリシュナムルティ・ドキュメンタリー

メアリー・ルティエンス

1冊読了。 3冊目『クリシュナムルティ・実践の時代』メアリー・ルティエンス/高橋重敏訳(めるくまーる、1988年)/伝記三部作の第二作で、星の教団解散前後から1980年までが描かれている。やはり、プロセスにまつわる記述が目立つ。率直に書かれているのだ…

星の教団解散宣言〜「真理は途なき大地である」/『クリシュナムルティ・目覚めの時代』メアリー・ルティエンス

・クリシュナムルティの人間宣言 ・星の教団解散宣言〜「真理は途なき大地である」・『クリシュナムルティ・実践の時代』メアリー・ルティエンス ・『クリシュナムルティ・開いた扉』メアリー・ルティエンス 神智学協会から「世界教師」と目された青年は、真…

クリシュナムルティの人間宣言/『クリシュナムルティ・目覚めの時代』メアリー・ルティエンス

・クリシュナムルティの人間宣言 ・星の教団解散宣言〜「真理は途なき大地である」・『クリシュナムルティ・実践の時代』メアリー・ルティエンス ・『クリシュナムルティ・開いた扉』メアリー・ルティエンス クリシュナムルティをニューエイジに貶めるべきで…

あなたは人類全体に対して責任がある/『学校への手紙』J・クリシュナムルティ

世界各地を飛び回るクリシュナムルティが、インド・アメリカ・イギリスの各学校に宛てて書いたメッセージが収められている。1978年9月から1980年3月分。いずれも簡にして要を得た文章で、クリシュナムルティの思想を理解しやすいものにしている。いつもの挑…

DVDブック『英和対訳 変化への挑戦 クリシュナムルティの生涯と教え』J・クリシュナムルティ/柳川晃緒訳

DVDは2時間半で、日本語と英語の字幕つき。 暴力へと条件づけられた人類の意識の変容を促すべく、イギリス、スイス、インド、アメリカをまわり、講演・討論を行ない、個人的面談に応じ続けた“世界教師”クリシュナムルティ。その90年にわたる生涯のあらましを…

メアリー・ルティエンス

1冊読了。 139冊目『クリシュナムルティ・目覚めの時代』メアリー・ルティエンス/高橋重敏訳(めるくまーる、1988年)/メアリー・ルティエンスによる伝記三部作の第一作。翻訳は『クリシュナムルティ・実践の時代』(めるくまーる、1987年)が先だった模様…

思考の終焉/『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 2 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ

・『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 1 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ ・あらゆる蓄積は束縛である ・意識は過去の過程である ・思考の終焉・『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 3 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナム…

意識は過去の過程である/『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 2 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ

・『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー クリシュナムルティの手帖より 1』J・クリシュナムルティ ・あらゆる蓄積は束縛である ・意識は過去の過程である ・思考の終焉・『生と覚醒のコメンタリー 3 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ 「…

あらゆる蓄積は束縛である/『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 2 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ

・『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー クリシュナムルティの手帖より 1』J・クリシュナムルティ ・あらゆる蓄積は束縛である ・意識は過去の過程である ・思考の終焉・『生と覚醒のコメンタリー 3 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ ・…

「一体化」という翻訳への疑問

この翻訳で採用された「一体化」という訳語はあまり原文の意味を伝えているとはいえません。新装版になったのですが、旧版の翻訳はもとのままです(直すのかなと期待したのですが)。 identification は一般的には「同一化」「自己同一化」というように訳さ…

クリシュナムルティの伝記〜メアリー・ルティエンス

「ジドゥ・クリシュナムルティ/Jiddu Krishnamurti 著作リスト」に漏れがあったので補完しておく。ついでなんで、メアリー・ルティエンス女史が書いたものをまとめて紹介しよう。 クリシュナムルティ伝記三部作 『クリシュナムルティ・目覚めの時代』メアリ…

J・クリシュナムルティ

1冊読了。 138冊目『学校への手紙』J・クリシュナムルティ/古庄高〈ふるしょう・たかし〉訳(UNIO、1997年)/クリシュナムルティ10冊目。世界各地を飛び回るクリシュナムルティがインド、イギリス、アメリカの各学校に送ったメッセージが収録されている。1…

クリシュナムルティは脳の手術をした!?

昨日、八王子の勉強会に参加したのだが、他の方々が知らなかったので紹介しておく。 事実、クリシュナムルティは『神秘体験』中で「脳の浄化」の必要性に触れ、またある種の「手術」がおこなわれているようだとも述べています。 【「編集日記」大野純一】

断片化の要因/『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ

傑作という言葉は相応(ふさわ)しくない。人為的な作品といった次元を軽々と凌駕(りょうが)している。人類の知性が辿り着いた最高峰であり、経典に位置すべき内容だ。ただし、いきなりこの本を読んでも理解し難いことだろう。物事には順序がある。せめて…

創造的少数者=アウトサイダー

世界中の教育は失敗した 手段と目的 理想を否定せよ 創造的少数者=アウトサイダー 公教育は災いである 日本に宗教は必要ですか? 目的は手段の中にある 『反逆的文学論』(現文社、1967年)の著者吉村貞司氏はこう述べている。 トインビーが「創造的少数者…

J・クリシュナムルティ

1冊読了。 137冊目『生と覚醒のコメンタリー 2 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ/大野純一訳(春秋社、1984年)/クリシュナムルティ9冊目。1よりはるかに強烈だった。あまりにも鮮やかな風景描写が次々と出てくるため、自分が見慣れた…

ただひとりあること〜単独性と孤独性/『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 1 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ

・『真理の種子 クリシュナムルティ対話集 Truth And Actuality』 ・ただひとりあること〜単独性と孤独性 ・三人の敬虔なる利己主義者 ・僧侶、学者、運動家 ・本覚思想とは時間論 ・本覚思想とは時間的有限性の打破 ・一体化への願望 ・音楽を聴く行為は逃…

「The Real Revolution」クリシュナムルティ

『Zeitgeist Addendum/ツァイトガイスト・アデンダム』で使われている動画を見つけた。『子供たちとの対話 考えてごらん』の風景も収められている。

人間の問題 2/『あなたは世界だ』J・クリシュナムルティ

「人間の問題 1」の続き―― 世界は完全に分裂しています。 ヒンドゥー教徒、イスラム教徒、クリスチャン、共産主義者というイデオロギー的な分裂、それは測りしれないほどの害を、非常な憎しみと対立をもたらしています。 宗教的なものであろうと政治的なもの…

文明とは

文明とは大勢の人々の集団的な欲望と意志です。 【『子供たちとの対話 考えてごらん』J・クリシュナムルティ/藤仲孝司〈ふじなか・たかし〉訳(平河出版社、1992年)】 『子供たちとの対話 考えてごらん』

人間の問題 1/『あなたは世界だ』J・クリシュナムルティ

・『学校への手紙』J・クリシュナムルティ ・人間の問題 1 ・人間の問題 2 ・言葉によらないコミュニケーションの存在 ・正しい質問 ・思想する体/『フェルデンクライス身体訓練法 からだからこころをひらく』モーシェ・フェルデンクライス・ジドゥ・クリシ…

J・クリシュナムルティ

1冊読了。 133冊目『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ/大野純一、聖真一郎〈ひじり・しんいちろう〉訳(平河出版社、1986年)/紛(まが)うことなき経典本。この対談がクリシュナムルティにとっての寿…

時代に真っ向から反逆した日蓮/『日蓮とその弟子』宮崎英修

一般向けの作品ではない。マニア向け。本弟子六老僧の一人である日興の筆による「御遷化記録」(ごせんげきろく)を通して日蓮の逝去前後の経緯が詳しく描かれている。日蓮は貞応元年(1222年)に生まれ、弘安5年(1282年)に死去した。立教開宗(=初めて南…