2008-01-01から1年間の記事一覧
奇しくも冬至の日に読んだ。私は道産子なのだが冬が嫌いだ。それは上京してからのことだ。東京には雪が積もらない。それだけで北海道の人々は、東京が南国だと思い込んでいる節がある。 上京したのは21年前の2月14日だった。千歳空港は猛吹雪に覆われ、飛行…
人当たりのよい男だった。(ただの八方美人だよ) 年の頃は還暦を過ぎていた。(とっくの昔に死んでいたが) 病気の妻を大切にしていた。(コミュニケーションはとってないが) 常に微笑んでいた。(ニヤけた野郎だ) 何でも正直に語った。(脚色された過去…
1冊挫折、1冊読了。 『パラドックス大全 世にも不思議な逆説パズル』ウィリアム・パウンドストーン/どうもこの著者が苦手だ。80ページで挫ける。私が求めている内容なんだが、アプローチの仕方に違和感を覚える。こなれた文章でありながら、しっくりこない…
1冊読了。 『高村光太郎詩集』/「冬が来た」と「冬の詩」に心を躍らせる。残念なことに、昨夜から今日にかけては生暖かい天気であった。できることなら、浅川沿いで寒風にさらされながら読み終えたかったよ。高村光太郎って、彫刻家だったんだね。知らなか…
はてなに引っ越したのが、多分2006年9月のこと。するってえと、2年と3ヶ月を経たことになる。一日平均にすると380くらい。ま、トラックバックやブックマークも少ないことから、泡沫ブログであることは確か。それでも見てくれる人がいる以上、意を決して綴っ…
・ブッダが解決しようとした根本問題は「相互不信」 ・人を殺してはいけない理由 ・日常の重力=サンカーラ(パーリ語)、サンスカーラ(サンスクリット語) ・友の足音 ・真の無神論者・『仏陀の真意』企志尚峰 ・『悩んで動けない人が一歩踏み出せる方法』…
福澤諭吉が緒方洪庵の適塾で学んでいた時のエピソード―― およそこういう風で、外に出てもまた内にいても、乱暴もすれば議論もする。ソレゆえ一寸(ちょいと)と一目(いちもく)見たところでは──今までの話だけを聞いたところでは、如何にも学問どころのこと…
振り返ると小学生の時分から濫読に次ぐ濫読を繰り返して今日に至っている。本を読まなかった時期は古本屋を立ち上げてからのこと。やはり、読み物から売り物に変わってしまったことが大きい。いつ手元から巣立ってゆくかわからぬ本を読む気にはなれなかった…
歯科医はその教育課程の中で、インプラントの臨床実習はない。ということは、歯科医師免許を取得してから研修することになるが、もちろん1日や2日の講習会ですべてを覚えられるものではない。ところが術式そのものはそんなに難しくなく、しかも高額の治療費…
本日、静かに、厳(おごそ)かに、そしてひっそりと弔問する。間もなく還暦になろうとしている娘さんの涙は既に乾いていた。互いの視線が複雑に絡んでは、微妙に逸(そ)れる。揺れる視線は故人を求めてさまよった。私は寂しいわけでもなく、号泣するわけで…
焼肉チェーン店にて忘年会。肉が口に合わず。焼肉というのは忙しくてダメだ。まともに話ができない。賑やかに盛り上がるのが嫌いなわけではないが、静かに語り合える雰囲気の方が断然好ましい。
モンゴメリが『赤毛のアン』を発表したのが1908年で、本書が1913年だから何らかの影響は受けていることだろう。それでも甲乙つけ難い面白さだ。 孤児となってしまった10歳の少女パレアナは、叔母のもとに預けられる。叔母は冷酷な人物だった。パレアナは父親…
・ストレスとコミュニケーション ・死線を越えたコミュニケーション 既に絶版となっているため、長文の引用をしておこう。本書の白眉ともいえる箇所だ。「極限状況におけるコミュニケーションの意味」を理解することができる。人は誰かとつながっているから…
サイマル出版会の大前正臣訳が長らく絶版となっていたが、ポプラ社から竹内真訳で刊行された。
2冊読了。 『黒体と量子猫 2 ワンダフルな物理史 現代篇』ジェニファー・ウーレット/少々中だるみはあるものの、器用な文章に引っ張られて読了。通読すれば科学史がわかったような気になってくる。突き放したような距離感のある文章が魅力的だ。 『祖国とは…
・政治的受益者の地位に甘んじるな ・多党制と連立政権 ・正しい多数決原理とは ・自信のない政治ほど強権を用いやすい・『歴史と私 史料と歩んだ歴史家の回想』伊藤隆 ここ最近、紹介しているものは、いずれも二十歳(はたち)の頃に読んだ書籍である。やは…
・『「疑惑」は晴れようとも 松本サリン事件の犯人とされた私』河野義行 ・『彩花へ 「生きる力」をありがとう』山下京子 ・『彩花へ、ふたたび あなたがいてくれるから』山下京子 ・ストレスとコミュニケーション ・死線を越えたコミュニケーション・『夜と…
・『人類が知っていることすべての短い歴史』ビル・ブライソン ・かつて無線は死者との通信にも使えると信じられていた ・レオナルド・ダ・ヴィンチ ・コペルニクスが引っ繰り返したもの ・コペルニクスは宇宙における人間の位置づけを変えた ・『量子革命 …
国民生活センターは17日、テレビショッピングに関する相談が年々増え、2007年度は2251件と過去最高になったと発表した。 商品の特長が強調される一方、返品や使用上の注意についての情報が少なく、解約の相談が目立つという。 同センターによると、全国の消…
2冊挫折。 『哲学者ディオゲネス 世界市民の原像』山川偉也(やまかわ・ひでや)/著者の名前だが山川エライヤかと思っちまった。ディオゲネスについては少し前から興味を抱いていた。ところが本書は学説を問う内容となっており、やたらと小難しい。70ページ…
「靴に対して失礼だ」(アラブ世界では「犬」「豚」「靴」は侮辱的なモノとされる) 「あのイラク人記者はとんでもない野郎だ。なにしろ2度も的を外したんだ」 「みなさん、就任8年目にしてやっと大統領の特技がみつかりました。それは……、ドッジボールです…
日本の言論界は眠っていた。ジャーナリストは前もって折ったペンで記事を綴っていた。ところが、カレル・ヴァン・ウォルフレンが投じた一石の音に慌てふためき、やっと目が覚めた。そう言ってもいいだろう。責任者のいない日本の権力構造を「システム」と名…
・『我が心はICにあらず』小田嶋隆 ・『安全太郎の夜』小田嶋隆 ・『パソコンゲーマーは眠らない』小田嶋隆 ・『山手線膝栗毛』小田嶋隆 ・『仏の顔もサンドバッグ』小田嶋隆 ・『コンピュータ妄語録』小田嶋隆 ・『「ふへ」の国から ことばの解体新書』小田…
1冊挫折。 『歌うネアンデルタール 音楽と言語から見るヒトの進化』スティーヴン・ミズン/テーマは完璧なんだが、如何せん内容が学術的過ぎる。このため、どうしてもスピード感に欠ける。迷いながらも、190ページで放り出す。構成作家がつけば、素晴らしい…
・近代を照らしてやまない巨星 ・天才とは―― 言行録の極めつけといえば本書。言葉の端々に純然たる栄光と名誉がほとばしっている。満々たる自信なのか、はたまた単なる傲慢なのか。紙一重の相違ではあるが、ナポレオンの言葉には男の心を震撼させる響きがあ…
広中平祐といえばフィールズ賞である。彼の受賞によって、私はフィールズ賞なるものの存在を知ったくらいだ。ノーベル賞って数学がなかったんだね。創始者のノーベルと某数学者の不仲が影響しているとも囁かれている。 功成り名を遂げたからといって、道徳を…
1冊読了。 『かくかく私価時価 無資本主義商品論 1997‐2003』小田嶋隆/『無資本主義商品論 金満大国の貧しきココロ』の続編。まあ、下ネタ駄洒落パワー全開。雑誌『噂の真相』に連載した記事を編んだもの。今となっては古いネタばかりではあるが、それで価…
『三国志』を読んだのは19歳の時だ。難しい漢字の覚えにくい名前が多数出てくることに、随分と閉口させられた。何度も繰り返される戦闘の見分けもつかなかった。『宮本武蔵』は1週間で読み終えたのだが、『三国志』は2〜3週間ほどかかったように記憶している…
1冊読了。 『自殺のコスト』雨宮処凛/家を出る際、間違えて持って出てしまった。日中、時間を持て余したために読了。著者自身、自殺未遂の経験があるとのことだった。文章が読みやすく、そこそこ面白いのだが、やはり“自殺教唆”的な文章が気に入らない。自…
・『一人ならじ』山本周五郎 ・石ころの価値・『日日平安』山本周五郎 ・『松風の門』山本周五郎 時代モノはさほど読んでいない。初めて読んだのは自宅にあった『宮本武蔵』(吉川英治著、講談社)だと記憶している。『水滸伝』『三国志』と進み、その後、『…