目撃された人々 22


 本日、静かに、厳(おごそ)かに、そしてひっそりと弔問する。間もなく還暦になろうとしている娘さんの涙は既に乾いていた。互いの視線が複雑に絡んでは、微妙に逸(そ)れる。揺れる視線は故人を求めてさまよった。私は寂しいわけでもなく、号泣するわけでもない。ただ心に黒々とした穴が空いただけだ。穴の重みに耐えかねて私は転びそうになった。辛うじてバランスを保ち、冬のアスファルトの道を一人歩んだ。合掌。