古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

テクニカル分析は結果主義/『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー

 ・テクニカル分析は結果主義
 ・将来は過去の繰り返しにすぎない
 ・ダウ理論

『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ
『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ
『週末投資家のためのカバード・コール』KAPPA
『なぜ専門家の為替予想は外れるのか プロが教える外国為替市場の不都合な真実』富田公彦


 ジョン・J・マーフィーはテクニカル分析をこう定義する――

 テクニカル分析とは何か? それは価格チャート(出来高建玉を含む)を使い、市場の新たなトレンドを察知し、それを利用する技術である。
 そこではファンダメンタル要因は市場に“織り込まれている”と仮定する。すなわち、ファンダメンタルが強気であったからこそ現に市場は上昇しているのであり、逆に、ファンダメンタルが弱気であったからこそ市場は下落しているのだと考える。テクニカル分析は、変化の原因よりもむしろ最初からその変化自体に注目することによりファンダメンタル分析の省略を可能とするのである。さらにこの考えを進めれば、チャート上の価格の動きこそ、実はファンダメンタルの先行指標であるという重要な結論に到達する。


【『先物市場のテクニカル分析』ジョン・J・マーフィー/日本興業銀行国際資金部訳(金融財政事情研究会、1990年)】


 つまり結果主義ということだ。これはこれで説得力がある。マーケットには実需筋もいるわけだから、彼等をファンダメンタル要因と見ることは可能だ。そこから、チャートがファンダメンタルの先行指標であるとするところが凄い。いかに市場が歪んでいたとしても、価格こそは真実なのだ。


 マーケットでの売買は必ず一対で成立する。つまり、売りたい人と買いたい人が同数いればこそ取引が可能となる。暴騰しようが暴落しようが一対一の売買が成り立っている。


 その価格にあらゆる材料が凝縮している。ただし、明日の値段はまた別の話(笑)。