1冊挫折、2冊読了。
挫折7『アウステルリッツ』W・G・ゼーバルト/鈴木仁子訳(白水社、2003年)/不思議な小説。アウステルリッツという青年の語った内容が延々と続く。改行もなしで。私が読んだ部分は建築にまつわる話が多かった。写真も多数掲載されている。このマッチングが見事。エリアス・カネッティの『蝿の苦しみ 断想』(法政大学出版局)をお経のように長くした印象あり。つまり難解ってこと。いつの日か再チャレンジするかも。
22冊目『リハビリテーション 新しい生き方を創る医学』上田敏(講談社ブルーバックス、1996年)/少々古いがリハビリテーションの教科書的な一冊。目が行き届いている上、現場を踏まえた確かな思想がある。著者は日本のリハビリにおけるパイオニアで、失敗談も実に有益。
23冊目『鎌倉佛教 親鸞と道元と日蓮』戸頃重基(中公新書、1967年)/鎌倉時代の宗教的背景がよく理解できる。3人の巨人に焦点を当てることで、踏み込んだ記述を可能にしている。初心者にもわかりやすいことだろう。全体的にはやや批判的な論調だが、批判そのものに鋭さは感じられない。親鸞が妻帯していたのは知っていたが、蓮如に至っては五度も結婚をし、27人の子供がいたってえのあ知らなかったよ。鎌倉時代において妻帯は珍しくなかったとのこと。