古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

高橋昌一郎


 1冊読了。


ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論高橋昌一郎/クルト・ゲーデルは「アリストテレス以来の天才」と称された数学者。晩年のアインシュタインをして「私が研究所に行くのは、ゲーデルと散歩する恩恵に浴するためだ」と言わせしめた。ま、この二人を“20世紀最大の知性”と表現しても、さほど異論は出ないだろう。新書でありながらも、ゲーデルの一生と不完全性定理がわかりやすくまとめられている。高橋昌一郎の腕がいいね。ロクに知識がない人が読んでも、ちゃあんと昂奮できるようになっている。それにしても、完全性定理と不完全性定理を発表したのが23歳の時というのだから驚く。天才って本当にいるんだね。いやあ、たまげたよ。神の領域にまで迫る数学は、実にスリリングだ。