1冊読了。
105冊目『科学と宗教との闘争』ホワイト/森島恒雄訳(岩波新書、1939年)/面白かった。これで岩波新書の森島三部作(『魔女狩り』『思想の自由の歴史』)は読み終えた。西洋の科学史は教会との闘争の物語であった。元々は神の存在を証明するための学問が、神の領域を超えてしまうことで異端視される。葬られた科学者は数知れず。聖書の言葉は文字通り鎖と化した。それだけの力が聖書にはあるのだろう。だが、その一方で神という中心軸があったからこそ西洋の科学は総合性を持ち得たのだ。原書は1876年と1896年に発行されており、「むすび」のへなちょこぶりが著者の敬虔さを示している。