「どんな地方にも、幾千幾万という魔女が庭虫のように地上にはびこりつつあるのです。
もしも私どもに一片の人情がありますならば、そもそも私どもが人間の名に値する者でありますならば、これらの魔女を罰せずにはおかれなくなるのが自然でありましょう。あるローマ皇帝が、ローマ人全部をただのひと打ちでみな殺しにしたいと望みましたように、私もすべての魔女をひと束にし、ただひとつの火で一度に全部を焼き殺せたらと思うのです」(これはブルゴーニュ・サンクロード地方の最高裁長官、アンリ・ボゲの『魔女論』1602年、の巻頭の「献辞」と「序文からの抜粋」)