2009-01-08 有吉佐和子 読書日記 1冊読了。 5冊目『恍惚の人』有吉佐和子/初版は1972年6月。223万部という空前のベストセラーとなった。介護の先鞭をつけた記念碑的小説。著者が41歳であったことを踏まえると、立派な作品といってよい。テンポがよく、最後のページも鮮やか。何となく読めてしまう不思議な文体だ。夫の父親が認知症で「壊れてゆく」様子を、主人公・昭子の眼から描いている。時代の差を感じる表現が時折見られるが、内容自体は全く古くなっていない。中年の方は必読。