無着成恭


 1冊読了。


 134冊目『山びこ学校無着成恭〈むちゃく・せいきょう〉編(青銅社、1951年/角川文庫、1992年/岩波文庫、1995年)/今月の課題図書。私は20代で一度読んでいる。暮らしの息づかいが伝わってくる。貧しくとも、いや貧しいからこそ、死が身近にあるからこそ、生が鮮やかな輪郭で躍動しているのだ。戦後の教育事情は決してよくなかったようだ。その中で若き無着は真の教育に挑戦し、見事に花を開かせた。勉強と生活を密接に結びつけ、地域のあり方まで考えさせ、更に子供達がメッセージを放つまでに成長している。無着が行ったのは生活綴方というものだった。子供達は書くことで生活を見つめ、書くことで社会を変革しようとした。山びこ学校のその後については、佐野眞一著『遠い「山びこ」 無着成恭と教え子たちの四十年』が詳しい。