1冊読了。
『夜中に犬に起こった奇妙な事件』マーク・ハッドン/それにしてもタイトルが酷い。「夜中に犬に」ってえのあ、何とかならなかったのかね。内容は、自閉症の少年が隣家の庭で殺された犬の事件を追うもの。ただし、ミステリではない。主人公の少年は数学や物理学で抜きん出た才能を発揮しているので、多分LD(学習障害)でアスペルガー症候群と思われる。発達性障害の世界が内側から語られる。また、こうした病気を抱える人が犯罪に至る軌跡も、よく理解できる。彼等は意図的に犯行に及ぶわけではなく、自分を守ろうとしているのだ。裏表紙に、「『アルジャーノンに花束を』をしのぐ感動作」とあるが、私はそうは思わない。ジャンルが異なるためだ。小中学生向けの書籍であるが、大人でも十分に楽しめる。