片山恭一という作家の『世界の中心で、愛をさけぶ』(小学館)の発行部数が5月7日、251万部に達した。
国内作家の小説としては、村上春樹の『ノルウェイの森』(講談社)を抜き、過去最多部数となった。『世界の中心――』は2001年4月出版。突然の重い病に侵された女性と、その恋人との切ない恋愛をみずみずしく描いている。出版科学研究所などによると、国内の作家の小説単行本では、1987年に出版された『ノルウェイの森』上巻の238万部が最多だった。
【日刊スポーツ】
全く読む気がしないね。そんな私が、『ノルウェイの森』も読んでいるはずがない。韓国では、『冬のソナタ』制作チームが映画化するという。ますます、読みたくなくなる。ベストセラーを支えているのは、多分、少女趣味の女性達であろう。読んでいる間だけ、夢見るような気分になれるのかも。
別に、「世界の中心」で愛を叫ばなくてもいいだろう。若者であれば、4畳半のアパートの中心で叫んだって構わないはずだ。もちろん、トイレで叫んでもいいし、カラオケボックスで叫んでもよし。
大体が、「世界の中心」ってどこだ? よもや、南極や北極ではあるまい。
愛を叫ぶのも結構だが、もっともっと叫ぶべきことがあるだろう。恋愛感情が人の心を昂ぶらせるのは明らかだが、人の眼を曇らせるのも、また事実。愛なんぞを叫んでいる内は、テレビや映画の中にしか感動がないような生活を送っているに違いない。
青年であれば自分が今、存在するその場所で、社会の不正や、世の中の矛盾、虐げられている人々の気持ちを叫ぶべきではないのか?
この本、まだまだ売れてるよーですなー。いやはや驚き。
これが日本一だと思ったら大間違いだ。1872年(明治5)に発行された、福沢諭吉の『学問ノスゝメ(初編)』は17編で、総発行部数は340万部なのだ。ざまあ見やがれ!
と、世界の端っこで、読まない本の文句を叫ぶ。
・福澤諭吉