廃刊危機脱出へ前進 写真雑誌「DAYS JAPAN」
経営難に陥り、廃刊の危機を訴えて昨年から存続のためのキャンペーンを続けていたフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」(広河隆一編集長)が、新たな定期購読者を1000人以上増やした。刊行を続けるためには、まだあと100人ほどが必要で、定期購読の協力を求めている。9日には創刊6周年イベントがあり、心配する支援者の前で存続か廃刊かが発表される。
04年に創刊された同誌は、世界各地の紛争や人権侵害、飢餓など、ほかのメディアには載りにくい問題を、広河編集長を含む世界のフォトジャーナリストの写真で訴え続けてきた。
広告収入はわずか。5年ほど前から書店での販売数は減り続け、昨年、初の赤字となった。雑誌を守るために1500人の定期購読者増が必要と昨年9月末から「存続キャンペーン」を始めた。広河編集長は、世界で起こっていることを知るための場を支えてほしいと自社サイトで定期購読を訴えた。
「この雑誌をなくしてはいけない」と考える読者の支援の輪が広がり、雑誌の存在さえ知らなかった人や海外からも多く反響があった。広河編集長の講演会では、会場発のツイッターが飛び、さらに支援者が増えた。
定期購読者が支え。現在も事務所では、期限が切れる読者に電話で継続を呼びかけている。一時は廃刊を覚悟したという広河編集長は「あと一息というところまできた。ここまで支援が集まるとは。雑誌の廃刊を読者が食い止めるために動くという、とてもまれなことが起こっている」と話している。
【asahi.com 2010-03-06】
写真誌「DAYS JAPAN」、廃刊の危機脱出
廃刊の危機の中で「存続キャンペーン」を続けてきたフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」は9日、今年に入ってからの定期購読の申し込みが伸びたことで存続が可能になったと発表した。創刊6周年の催しで、写真家の広河隆一編集長が読者や関係者を前に話すと場内からは拍手が起こった。
書店での売り上げが減り、安定した発行を続けるために定期購読による支援を求めていた。支援の輪はメールやブログを通じて海外にも広がり、今年1月から申し込みが増加。9日に終了したキャンペーン中は年間購読料を1000円下げる7700円としたこともあって、定期購読部数はこれまで最高の約7000部を超え、9000部近くまで伸びた。
広河編集長は「電子化などメディアが変わっていく中で、ジャーナリズムが積み残されていないか。大切なことを伝えるために想像力が試されている」と話した。今後は公募と読者投票で新しい「DAYS JAPAN」の形を探る方針だという。
【asahi.com 2010-03-10】