国家権力によって沖縄県の民主主義が葬られた


 今回の沖縄県米軍基地普天間移設問題で明らかになったのは、国家権力によって沖縄県の民主主義が葬られたという事実であろう。民主主義なんて代物は所詮この程度のものだ。沖縄県民以外は、「どうせ今まで我慢してきたのだから、もう少し我慢してよ」と心のどこかで思っている。琉球王国(1429-1879年)は薩摩藩に侵略され、沖縄県は1972年までアメリカに支配された。我々は不幸な歴史は知っているものの、不幸な歴史を生きたことがない。


 28日、消費者・少子化相の福島瑞穂が名護市辺野古への移設を明記した閣議決定に反対し、鳩山首相から罷免(ひめん)された。福島を評価する向きもあるが、これは社民党的短絡平和主義か、あるいは参院選に向けたアドバルーンであろう。特に最近の世論調査ではみんなの党が支持率を上げていることもあって、社民党はそれ相応の危機感を抱いてきたことだろう。


 私は沖縄が大好きだ。りんけんバンドの筋金入りのファンでもある。ゆくゆくは故郷の北海道よりも沖縄に住みたいと考えている。弟夫婦も沖縄にいる。権力者はきっとこう考えているのだろう。「番犬を家の中で買うわけにはいかない。玄関先で飼うのが当然だ」と。


 政治は既に人気取りというレベルに堕している。参院選という次の徒競争に向けて、利用できるものは何でも利用しようとするのが政治家の本能だ。彼等の言説に耳を貸すような愚かな真似だけはしたくないものだ。


 武力が劣って侵略された沖縄に、武力が押しつけられている。これを傍観しているのは、米軍基地のない地域に住む日本国民だ。もちろん私もその一人だ。実に耐え難い事実である。