古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

肌の境界感覚

 肌の境界感覚があまりに弱いと、人から影響を受けすぎて自分というものがなくなってしまう。たとえば、自分を主張したり表現することができず、常に他人に合わせることでよい子を演じ続ける「過剰適応」の行動になる。
 逆に肌の境界感覚があまりに強すぎると、自他を隔てすぎてしまって自閉的、あるいは傍若無人な行動傾向が強まる。たとえば、境界感覚が強くてエネルギーが内に向かうと、「引きこもり」のような行動が現われ、逆にエネルギーが外に向かえば、電車内で平然と化粧をするような、傍若無人な行動が出てくる。


【『子供の「脳」は肌にある』山口創〈やまぐち・はじめ〉(光文社新書、2004年)】