さらに現在、石川(悠加)が先頭に立って推し進めているのが、「NIPPV」(非浸襲的〈ひしんしゅうてき〉人工呼吸器)と呼ばれる新しい人工呼吸療法である。その日の研究会でも、大きなテーマとして扱われていた。
これまで人工呼吸器といえば、「気管切開」の手術を受け、気管カニューレを装着する方法がスタンダードとされてきたが、このNIPPVでは手術を行わず、着脱式の「鼻マスク」や「口パイプ」を使用するという特徴がある。
【『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』渡辺一史〈わたなべ・かずふみ〉(北海道新聞社、2003年)】