古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

大野純一


 1冊読了。


 124冊目『クリシュナムルティの教育・人生論 心理的アウトサイダーとしての新しい人間の可能性』大野純一著編訳(コスモス・ライブラリー、2000年)/クリシュナムルティ3冊目。ススナガ・ウェーラペルマには若干かなわないが、それでも大野の解説は気魄(きはく)のこもったもので、心を打たれる。クリシュナムルティが「現代のブッダ」と呼ばれたのも得心がゆく。真の対話、真の英知、真の目覚めが脈打っている。それでいて、クリシュナムルティはグル(導師)となることを拒絶しているのだ。一切の束縛を打破し、自分自身の中に必ず答えがあると教えている。我々に真実が見えないのは、ありとあらゆる「条件づけ」に支配されているためだ。