3冊読了。
41冊目『脳のなかの身体 認知運動療法の挑戦』宮本省三(講談社現代新書、2008年)/『リハビリテーション・ルネサンス 心と脳と身体の回復 認知運動療法の挑戦』より、ずっと面白かった。理念と文章が一致している。ただ、この人はどうしても現状のリハビリ医療に対する批判に傾きがちで、性格の悪さというか、粘着質なところがある。読み手としては、批判が猛々しくなるほど認知運動療法への期待が高まるのだが、具体的なデータが一つも示されていない。これも致命的だ。それでも、カルロ・ペルフェッティ(イタリア)が提唱する「“脳の中の身体”を治療する認知運動療法」は革命の名に相応(ふさわ)しい。
42冊目『荒野の庭』言葉、写真、作庭 丸山健二(求龍堂、2005年)/先日、動画を紹介したので読んでみた。丸山作品は『逃げ歌』を途中で放り出して以来のこと。花々は確かに美しい。見事という他ない。ただ、どうなんだろうね。写真集としては中途半端だ。丸山のことだから、撮影技術もそこそこ習得しているのだろうが、全体的には散漫な印象を受けた。しかも、作家のくせに言葉が少な過ぎる。花に依存した写真集と言ってもよい。こういうのは他人が作品にするならともかく、自分で本にすると、仮にいいものであったとしても植木自慢のレベルに堕してしまう。
43冊目『無法バブルマネー終わりの始まり 「金融大転換」時代を生き抜く実践経済学』松藤民輔(講談社、2008年)/今、ブログ内を検索して知ったのだが、既に読んでいた(笑)。まったく気づかなかった。私の読書レベルが知れてしまう。そういえば北朝鮮の件(くだり)は「同じことを書いてやがるよ」と思ったが、同じ本だったのだな。松藤民輔は好きだ。テレビ出演と、当たった予想の自慢話を除けば。この二つが瑕疵(かし)となっている。あと、結論を必ず「金(ゴールド)投資」に持ってゆくポジショントークとなっている。そして、本書の最後の予言(ドル急騰)は見事に外れている。ざまあみやがれ。それでも十分、一読の価値あり。何てったって、この私が二度も読んだのだから。