『アキバ通り魔事件をどう読むか!?』


 1冊読了。


アキバ通り魔事件をどう読むか!?洋泉社ムック編集部編/事件が起きたのが6月8日で、本書の発行が8月29日だから、機を見るに敏。執筆陣のチョイスがいい。凶悪犯罪を読み解く作業は、社会が犯罪者に歩み寄ろうとする試行錯誤であり、社会の窓口を広げる営みであると思った次第だ。あるいは、異質な物語に耳をそばだてる行為か。でも、結局のところ他人事だから、こんなことを書けるんだよな。殺された被害者の遺族には見せられる代物じゃない。ただし、他人という距離感がなければ、冷静に事件を見つめることはできない。往年の別冊宝島に比べると、薄っぺらくて(126ページ)、レイアウトが画一的だ。でも、やっぱり活字はいいよな――そんな気にさせられる一冊である。後半の失速感が少々残念な程度。