古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

池谷孝司


 1冊挫折。


 挫折64『死刑でいいです 孤立が生んだ二つの殺人』池谷孝司〈いけたに・たかし〉編著(共同通信社、2009年)/ワードのような活字に驚かされる。共同通信社の本でもこの体たらく。特異な殺人事件を追ったルポ。どう考えても意味のある仕事とは思えない。猟奇的な犯罪はいつの時代もある。多分、遺伝子の異常に起因しているのだ。私はむしろ、このような本を著そうとした著者の動機に問題があると考える。興味は関心を刺激されることで湧くものだ。猟奇性、残虐性を社会にばらまくような行為になってやしないだろうか? 20ページで読むのを中止する。発達障害と犯罪に関するものであれば、佐藤幹夫著『自閉症裁判 レッサーパンダ帽男の「罪と罰」』がオススメ。