杉村太蔵のインパクト


 自民党衆院選に勝ち過ぎた象徴として、メディアに持てはやされている。当選直後のコメントが意図的に何度も繰り返して報じられ、その度に私は腹を抱えて笑っている。


 賛否両論で日本を沸かせるたあ、この若造、只者じゃないね(笑)。取り敢えず、批判は措(お)いておこう。いや、一つだけ挙げておく。


 この会見には、政治的意図があったという指摘がある。日歯連からの1億円ヤミ献金事件で、青木幹雄が証人尋問されていたことから、メディアの目を逸(そ)らそうとしたものだと。するってえと、太蔵君は期せずして、効果的な客寄せパンダとなったわけだ。


 この会見で、テレビ朝日平石直之が、驕り高ぶった質問を執拗に行い、「Irregular Expression」で突っ込まれているモッコリ野郎は引っ込んでろ。


 神妙な顔で望んだ記者会見だったが、そこここで笑いを取るのが見事。何かしら天与の才があるに違いない。

 当選直後とは打って変わった態度に、サラリーマンの悲哀を感じた方も多いのではないか。初当選すれば、誰もが感じていたことを、太蔵君は率直に語った。彼はカメラの向こうにいる、お茶の間の国民に対してではなく、眼の前のカメラマンに語っていたのだろう。浮かれた若者の姿は、誰よりも雄弁に、恵まれた国会議員の待遇を教えてくれた。


 そして、彼は組織への服従を強いられ、再びカメラの前に登場した。自由を奪われ、ロボットみたいな顔つきで。圧力に屈した人間が、どこまで豹変するかを示したものだった。


 経済通に言わせると、マスコミ効果としては10億円以上の宣伝価値があり、知名度抜群になったことで小選挙区による当選も十分見込めるそうだ。


 予期せぬイレギュラーは、攻撃側にはチャンスとなり、守る側には失点につながる。要は、太蔵君を今後どう使うかが自民党に問われているのだ。私が自民党総裁であれば、武部幹事長とコンビにして、ボケとツッコミをやらせるのだが(笑)。何となく、品川庄司の品川に顔が似ているが、太蔵君の方がはるかに面白い。


 いずれにしても、北海道旭川市出身ということは、私と同郷である。応援しないわけにいかない(笑)。