毒を食らわば事故米まで〜三笠フーズ


「毒を食らわば皿まで」――どうせ罪を犯したのだから悪事は最後まで貫徹しようという意味の俚諺(りげん)だが、三笠フーズは皿の上に事故米を載せた。問題の米は中国産とベトナム産で、ダイオキシンの10倍以上の毒性をもつアフラトキシンや、メタミドホスなどの殺虫剤成分が確認されている。


 記者会見では梶島達也・食糧貿易課長が「公衆衛生の業務は農水省の仕事ではない」とのたまわった。確かに。お前達の仕事は「国民の目を欺くこと」だったな。私から記者に注意をしておこう。正しい質問はするなと。


 新任の太田誠一農水相も元気がない。「集団レイプは元気あっていい」と言ったのは5年前のこと。ひょっとすると、著しい精力の減退、及び低下で悩んでいたのかも知れない。立て、立つんだ、ジョー!

「コメの流通は農水省の責任。長年不正を見抜けなかったことは残念」。太田誠一農水相は12日、閣議後の会見で、そう語ったが、同省は、三笠フーズに過去5年間で96回、「浅井」(名古屋市瑞穂区)と「太田産業」(愛知県小坂井町)には、42回もの立ち入り検査を実施していたが、まったく不正を見抜くことはできなかった。
 工業用米は、月に1回程度、用途通りに使用されているか検査する。だが、抜き打ちではなく、相手側の都合にあわせるため毎回、事前に通告されていた。
産経新聞 2008-09-13


 つまり、単なる出来レース八百長。シナリオに沿った行政手法。観客である消費者が怒るのはいつだって後の祭り。「政官業のタッグチームvs無知な国民」が好ゲームになることはあり得ない。それは、ドラえもんという後ろ盾を失ったのび太vsジャイアンみたいなもので、万に一つも勝ち目がない。


 そもそも、米の流通を問題視する声は以前からあった。どこでどうなっているかが不透明なのだ。まさに闇米。今回の事件は、保護行政の暗部が露顕しただけの話だろう。護送船団方式。赤信号もみんなで渡れば、前例と化す。大丈夫、悪いようにはしない。メタミドホスだって、中国製餃子は基準値の10万倍以上の成分が検出されたが、三笠フーズ事故米は2倍だ。何よりも、この国の国民は時間が経てば水に流してくれる。きっと、事故米ごと水に流してくれることだろう――こう官僚は考えていることだろう。あるいは、「誰のおかげでおまんまが食えると思っているんだ」とも。


 三笠フーズ架空取引を繰り返していた。これぞ流通マジック。資本主義は素晴らしい。株式会社は有限責任だ。潰してしまえばそれでチャラ。スイスの銀行が「プライベート・バンク」を名乗るのは無限責任を負っているためだ。


 日本というムラ社会では、政治家がルールをつくっているように見えるだけで、実際の胴元は官僚が行っている。彼等はルールを恣意的に曲げる才能に満ち満ちている。法律は文言よりも解釈で内容が決められる。ま、針金細工みたいなもんだな。


 それにしてもこの国には、「問題を未然に防ぐ能力」が全くといっていいほど見られない。長期にわたる自民党政権歯槽膿漏のような悪臭を放っている。毒にまみれた米よりも、はるかに致死性が高いと思われる。