古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

ライブドア叩き

 叩くのは、母さんのお肩だけにしてもらいたい。そんな思いにさせられるほど、昨今のライブドア社に対するバッシングは酷い。数日前から、まるで誰かがゴーサインを出したかのように、メディアが攻撃を始め、政治家が批判を加え、経済界から苦言が続出した。


 私は証券業界についての知識はからっきしだが、今回の問題は、ライブドア社の“お行儀が悪かった”という程度のものではないか? 現行法に抵触してないというのだから、これほど騒ぐ必要はないはずだ。


 民主党岡田代表は、22日の記者会見で――

(現行法の)ルールに基づいて行われたことに、立法者の政治家が批判するのは見識がない。


 と批判。“野党”を“政権準備党”と言い換えることを提唱するおめでたい政治家でもわかる問題なのだ。


 ってなわけで、私は心情的に堀江社長を応援したい。経済界に一石を投じる若武者に拍手を送りたい気分だ。


 人相のよくないフジテレビの会長は、「今時の若いのはなってない」が口癖になっているその辺の親父連中と変わりがない。旧態依然とした世界にどっぷりと浸(つ)かっているただの老人だ。


 日本経団連奥田碩会長(トヨタ自動車会長)は――

 変な本を書き過ぎた。金さえあれば何でもできるというのは日本の社会としてはまずい。


 と御託をのたまわった。これなんぞは、「内の村の掟に従わなければ、いつでも村八分にしてやるぞ」と脅しているのと一緒。大体、「変な本を書き過ぎた」とのことだが、何冊読んだかすら明言してないのだ。


 奥田会長は、堀江社長にケチをつける前に、自社の心配をした方がよくはないか? 以下、日経記事――

トヨタ50億円申告漏れ、20億円追徴課税


 トヨタ自動車(愛知県豊田市)が名古屋国税局の税務調査を受け、2002年3月期までの2年間で約50億円の申告漏れを指摘されていたことが8日、分かった。このうち約10億円は海外の子会社に支払う販売促進費を水増しするなどしていたとみられる。同国税局は子会社への「利益移転」にあたるとして重加算税を含め約20億円を追徴課税(更正処分)したもようだ。
 関係者によると、トヨタ自動車シンガポールの子会社「トヨタ・モーター・アジア・パシフィック」に販売促進業務を委託している。同国税局はトヨタ自動車が支払った委託料が実際の業務内容と比べて多く、経費の水増しにあたると判断。子会社への資金支援のための「利益移転」にあたると認定したもようだ。(2003-10-08)


 また、トヨタは、郵政事業参入の噂が囁かれているので、自民党に尻尾を振っておこうって魂胆なのかも。


 21日の「きょうの出来事」(日本テレビ)では、小栗泉という女性キャスター堀江社長に対し、失礼千万な質問を繰り返した。挙げ句の果てには堀江氏が答えている途中でCMを入れるという手の込みようだった。ま、誰かが書いた台本通りに仕事をしているだけの馬鹿女だろう。さながら、イジメに便乗する外野の如し。


 毎日新聞(2005-02-21付)では、「風雲児の新聞観について」と題して、山田孝男という記者が一文を掲載――

 野球と株に疎く、今までぼんやり眺めてきた私だが、彼が新聞を語りだしたことで見えてきたものがある。メディア業界の旧弊を突く彼の批判は鋭いが、自己膨張以外に行動規範がなく、適法なら何でもやるという彼の流儀に屈するわけには断じていかないということである。


 更に、この後、こんな風に書いている――

 新聞はしばしば独善に陥るが、だから記者が公益を探る営みは無意味だというような極論を受けいれるわけにはいかない。


 そして、戦後、ヤミ金融光クラブ」を経営していた東大生の言葉を引用して、堀江社長に擬して、締め括られている。


 この記者は、完全な被害妄想だと言っておこう。「ぼんやり眺めて」「見えてきたもの」と出だしを曖昧にし、端(はな)っからへっぴり腰。普通は、ぼんやり眺めて見えるものは、ぼんやりした姿にしかならないよ(笑)。


 ところが、自分の仕事(新聞記者)に対して批判されるや否や、彼の態度は豹変する。この記者は狡賢(ずるがしこ)い人物だ。堀江社長のことは、最初に持ち上げてから(「彼の批判は鋭い」)、根拠を示さずして「自己膨張以外に行動規範がなく」と断罪してみせる。ところが、新聞記者の仕事に関しては、「しばしば独善に陥るが」と、先にへりくだってみせ、その後、胸をそっくり返して威張ってみせるのだ。


 タイトルの「風雲児」という言葉も、堀江氏を持ち上げているような印象を与えながら、自殺した「光クラブ」の社長(しかも、東大卒)にダブらせようとする狙い。


 堀江氏は、この一文を読んですらいないことだろう。山田記者の滅茶苦茶な記事は、会社に飼い馴らされたサラリーマンによる負け犬の遠吠えにしか聞こえない。


【※大前研一氏によれば、「要は記者が読み込めなかったということ」であり、「報道する側が『勉強不足』だとしたら、こうした動きに乗じてあれこれ言う役人などは、さながら『お調子者』です。この数、じつに多い」ということになる。今後の争点は、「あまり注目されていませんが、村上ファンドの持ち株のゆくえ、つまり証券取引法の『会社関係者の禁止行為』(第百六十六条)、俗に言うインサイダー取引に触れたか否か」だそうだ】


 2005-02-23

毎日新聞のインタビューを嗤(わら)う


 今日付の毎日新聞堀江社長のインタビュー記事が掲載された。臺宏士という記者によるもの。これまた噴飯物。ジャーナリストという種類の人間は、礼儀知らず・世間知らずの代名詞になりつつある。

 メディア界では、公権力を監視する機能を担い、社会の不正追及や、隠された情報を明らかにするなど、国民の知る権利に応え、社会に問題を提起することがジャーナリズムの重要な役割だと考えられてきた。


 記者クラブという閉ざされた世界で、官から与えられた情報を垂れ流している連中がよく言うよ(笑)。自分達の作った新聞は、下請け・孫受けの新聞販売店拡張員にやらせているクセしやがって。ホリエモンのことよりも、新聞拡張のサービス合戦にメスを入れるべきじゃないのか?


 新聞が社会の木鐸(ぼくたく)だった時代はとっくに去った。それでも、正義面(づら)を下げているジャーナリズムは、今や嘲笑の的だ。


 フジテレビの会長や、ニッポン放送の社長がいみじくも示したのは、会社が株主のものではない、という経営者側の古い思考回路だ。


 2005-03-05

突っ込みどころ満載


 毎日新聞やテレビは、突っ込みどころが満載だが、多過ぎて書けなかった(笑)。


 ま、ジャーナリストと呼ばれるような種類の仕事が、虚業であることがハッキリした。何だかんだ言ったところで、ホリエモンは実業家である。


 2005-04-05

圏外からのひとこと
What am I?