古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2009-01-01から1年間の記事一覧

進化過程では平均が有利

たとえば、鳥の翼は、空にうまく舞い上がれるだけの長さがなければならず、鳥がコントロールを保てるほど短くなければならない。大嵐のあとで死んだ鳥の翼の長さを測ってみると、並外れて長いか、並外れて短い鳥が期待値よりも多かった。生き残った鳥は、中…

クリシュナムルティは脳の手術をした!?

昨日、八王子の勉強会に参加したのだが、他の方々が知らなかったので紹介しておく。 事実、クリシュナムルティは『神秘体験』中で「脳の浄化」の必要性に触れ、またある種の「手術」がおこなわれているようだとも述べています。 【「編集日記」大野純一】

断片化の要因/『生の全体性』J・クリシュナムルティ、デヴィッド・ボーム、デヴィッド・シャインバーグ

傑作という言葉は相応(ふさわ)しくない。人為的な作品といった次元を軽々と凌駕(りょうが)している。人類の知性が辿り着いた最高峰であり、経典に位置すべき内容だ。ただし、いきなりこの本を読んでも理解し難いことだろう。物事には順序がある。せめて…

「忘れられない脳」の困惑

長辻象平 書評『忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私』ジル・プライス、バート・デービス/橋本碩也訳(ランダムハウス講談社、2009年)

藤原不比等

藤原不比等(ふひと)、私は、この人こそ、正に日本の国家というものをつくり出した、隠れたる大政治家だと思う。この隠れた大政治家は、日本の国家の基礎をつくり出すことにおいて、天才的であったが、また、自己の事蹟のあとかたを隠すことにおいても天才…

文庫化『カラシニコフ』松本仁一(朝日文庫、2008年)

内戦やクーデターが起きるたびに登場する銃、カラシニコフ。開発者カラシニコフやシエラレオネの少女兵、ソマリアのガードマン、作家フォーサイスなどへの取材を通し、銃に翻弄される国家やひとびとを描く。朝日新聞特派員として数々の紛争取材に携わった著…

創造的少数者=アウトサイダー

世界中の教育は失敗した 手段と目的 理想を否定せよ 創造的少数者=アウトサイダー 公教育は災いである 日本に宗教は必要ですか? 目的は手段の中にある 『反逆的文学論』(現文社、1967年)の著者吉村貞司氏はこう述べている。 トインビーが「創造的少数者…

空気で走る究極のエコカー

「酸化窒素も排出しなければ、ほんの少しの塵さえも排出しない。わずかな二酸化炭素(CO2)の排出だけで、800キロメートルもの走行距離を可能にした」 圧縮空気で走る究極のエコカー エアポッド

アフガン軍事請負企業に資金不正疑惑 米議会が調査へ

米政府と契約しアフガニスタンで操業している民間の軍事請負企業が、巨額の公的資金を不正使用している疑惑が浮上し、米議会が調査に乗り出す予定だ。中でも輸送業務契約に絡む22億ドル(約2000億円)近くが、部族勢力やイスラム強硬派タリバーンに流れた疑…

レイチェル・コリー

Wikipedia レイチェル・コリー殺害に関する声明 Rachel Corrie: The Little Liberal Girl that Couldn't

ロバート・キヨサキ、イサク・ディーネセン、ヘニング・マンケル、イドリース

4冊挫折。以下、いずれも20ページ前後で何となく挫ける。 挫折95『金持ち父さんの金持ちがますます金持ちになる理由』ロバート・キヨサキ/井上純子訳(筑摩書房、2008年) 挫折96『バベットの晩餐会』イサク・ディーネセン/桝田啓介訳(筑摩書房、1989年/…

戦後教育に彗星の如く現れた生活綴方/『山びこ学校』無着成恭編

・戦後教育に彗星の如く現れた生活綴方 ・ゲラゲラでんぐりかえるほど笑った・『遠い「山びこ」 無着成恭と教え子たちの四十年』佐野眞一 今月の課題図書。若き無着成恭が取り組んだ生活綴方の結晶である。児童達の作文はゆったりとした方言を交えながら、生…

J・クリシュナムルティ

1冊読了。 137冊目『生と覚醒のコメンタリー 2 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ/大野純一訳(春秋社、1984年)/クリシュナムルティ9冊目。1よりはるかに強烈だった。あまりにも鮮やかな風景描写が次々と出てくるため、自分が見慣れた…

腐った国家

今、アフガニスタンは権益・公益・サービスなどに絡む政府高官の贈収賄が蔓延し、世界第2位の腐敗国とランク付けされている。第1位は内戦に明け暮れるソマリアである。第3位はミャンマー、第4位がスーダンそして第5位はイラクとなっている(腐敗や汚職の防止…

根源的な革命、全面的な変容

人間の意識に根源的革命を、人間の心理構造に全面的な変容をもたらすことが、絶対的かつ緊急の課題である。 ――クリシュナムルティ 【『私は何も信じない クリシュナムルティ対談集』J.クリシュナムルティ/大野純一訳(コスモス・ライブラリー、2000年)】 …

〈疑似主体化〉の試みとしてのDV

熊田一雄の日記 熊田一雄

カルト教団のリーダー vs. キネシクス/『スリーピング・ドール』ジェフリー・ディーヴァー

キネシクスなる言葉は知らなかった。ボディランゲージによる心理分析のこと。最初は「サイコキネシス」かと思ったよ(笑)。キャサリン・ダンスという女性捜査官が新シリーズのヒロインだ。 相手が嘘をついているかどうかを見きわめようとするときに注目すべ…

ヤスミナ・カドラ

1冊読了。 136冊目『テロル』ヤスミナ・カドラ/藤本優子訳(早川書房、2007年)/傑作。ガッサーン・カナファーニーやユースフ・イドリースほどのインパクトはないが、水晶の如き文体と構成が素晴らしい。ヤスミナ・カドラはアルジェリア軍の元将校だという…

名前すら付与されない悲劇

キーボードを一心不乱に叩きながら彼女は語る。 「一番大きな問題は私たちのこの悲劇には名前がついていないことです。世界の注目どころか、国内でも無視され切り捨てられている」 名前さえもついていない問題。確かにコソボ難民という言い方をすれば、ほと…

書物

「その人間が、考えていることを書物にするまでには、おそらく一生を費やしたのじゃないかな。世界を見、人を見、一生を賭けて考えぬいたあげく、書物のかたちにしているのだ」 【『華氏451度』レイ・ブラッドベリ/宇野利泰訳(早川書房、1964年/ハヤカワ…

ジェフリー・ディーヴァー

1冊読了。 135冊目『スリーピング・ドール』ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳(文藝春秋、2008年)/キャサリン・ダンスという女性捜査官が主役。新シリーズのようだ。これがまた凄い。彼女は、話し方やボディランゲージから心理を読み解くキネシクス…

負け組投資家に共通する心理/『マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』ジャック・D・シュワッガー

・負け組投資家に共通する心理・『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ ・『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ …

同級生の自殺

矢口新の生き残りのディーリング 矢口新

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長の障害者ブログ問題

住民至上主義 2009-11-08 【問題とされているページ】 阿久根市長ブログ障害者記述 「生命の尊さ軽んじている」 医療福祉4団体謝罪求める 鹿児島 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長が、自身のブログ(日記風サイト)に障害者の出生を否定するような記述をした…

平和賞授与でオバマ氏、アフガン「正しい戦争」

テレビも新聞も見ないので、こんなニュースがあったことを知らなかったよ。 オバマ米大統領に対する2009年のノーベル平和賞の授与式が10日、オスロの市庁舎で行われた。 現職の米大統領の平和賞受賞は、1906年のセオドア・ルーズベルト、19年のウッドロー・…

アレルギーの発見

スコットランドのセント・アンドリュース寺院の大司教ジョン・ハミルトンは、長い間激しい喘息の発作に悩まされていた。(ジロラーモ・)カルダーノは、ハミルトンの異母兄の貴族ジェームス・エールの招きによって、1552年にイタリアからスコットランドまで…

邪魔とは

ピタゴラスの定理 これらの誘惑、不安、揺らぎなどの煩悩を悪魔の形で表わし、釈尊と悪魔(煩悩)との戦いとして伝記には書かれています。お経のなかではこの悪魔を「邪魔」と表わしています。 【『人間ブッダ』田上太秀〈たがみ・たいしゅう〉(第三文明レ…

順張りの哲学/『ワイルダーのアダムセオリー 未来の値動きがわかる究極の再帰理論』J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニア

・『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』オリバー・ベレス、グレッグ・カプラ ・『ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスからの最後のアドバイス』マーク・ダグラス、ポーラ・T・ウエッブ ・順張りの哲学・『なぜ専門家…

ただひとりあること〜単独性と孤独性/『生と覚醒(めざめ)のコメンタリー 1 クリシュナムルティの手帖より』J・クリシュナムルティ

・『真理の種子 クリシュナムルティ対話集 Truth And Actuality』 ・ただひとりあること〜単独性と孤独性 ・三人の敬虔なる利己主義者 ・僧侶、学者、運動家 ・本覚思想とは時間論 ・本覚思想とは時間的有限性の打破 ・一体化への願望 ・音楽を聴く行為は逃…

ピタゴラスの定理

ピュタゴラスは鍛冶屋で和音を発見した ソフィー・ジェルマン 川の長さは直線距離×3.14 ピタゴラスの定理 ピタゴラスの証明は二重の意味で重要だった 図書室の一冊の雑誌をめぐる偶然の出会いが数学史を変えた ガロア 「自分だけがわかっている」ことを、ど…