3冊読了。
120、121冊目『キリング・フロアー(上)』『キリング・フロアー(下)』リー・チャイルド/小林宏明訳(講談社文庫、2000年)/これがデビュー作。一気に読めるのだが、2冊にするほどの内容ではないと思う。『前夜』を読んだ時も同じ印象を受けた。ま、それでもそこそこ面白いんだ。及第点。ブラインド・ブレイクというブルースシンガーを初めて知った。
122冊目『女盗賊プーラン(下巻)』プーラン・デヴィ/武者圭子〈むしゃ・けいこ〉訳(草思社、1997年)/10月の課題図書。若い女性に読んで欲しい作品だ。非暴力に関心のある青年も読むべきだ。暴力が支配する世界で生きてゆくには二つの道しかない。ひれ伏すか、闘うかである。ひれ伏すとは、プーランの父親のように娘が何度も強姦される様子をじっと見つめることを意味する。奴隷制度を支えているのは無気力な奴隷なのだろう。プーランの父親は生まれながらにして死んでいたのだ。だからこそ、何度殺されても平然としていたのだろう。この男はレイプした連中よりも罪深い。カースト制度は3000年という時間をかけて、こんな人間をつくることに成功したのだ。カースト制度を編み出した人物が、どれほど人間に精通したいたかが窺えよう。まったく天才だよ。