1冊挫折、1冊読了。
挫折25『新版 株式罫線の見方使い方 投資家のための戦略図』木佐森吉太郎〈きさもり・きちたろう〉(東洋経済新報社、1969年)/いまだに版を重ねている古典本。文章に独特の臭みがある。私は肌が合わない。テクニカルの基本について書かれているのだが、売り方vs買い方の兵法といった趣あり。日足チャートの物語としてはやや単純すぎやしないか? 「行き過ぎた解釈」というのが私の所感だ。マーケットがグローバル化した現在、どこまで通用するのか検証が必要だろう。
51冊目『エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ』ジョン・パーキンス/古草秀子〈ふるくさ・ひでこ〉訳(東洋経済新報社、2007年)/一気読み。翻訳が非常にいい。「ヒットマン」とは殺し屋のことである。アメリカは10年に一度の割合で大きな戦争を仕掛け、米軍が破壊し尽くした後で、アメリカ企業が復興支援という名目で金儲けをする。ところがそれだけではなかった。最初に動くのはエコノミック・ヒットマンと呼ばれるビジネスマンなのだ。彼等が発展途上国のインフラ構築を売り込み、世界銀行やIMFからの融資を促す。目的は一つ。相手国を債務超過に追い込むことだ。政府首脳がどうしても聞き入れない場合は「ジャッカル」の登場となる。正真正銘のヒットマンだ。それが失敗すると最終手段として戦争が行われる。西水美恵子著『国をつくるという仕事』を読んだ人は必読。尚、ジョン・パーキンスは『Zeitgeist Addendum/ツァイトガイスト・アデンダム』にも登場している。