1冊挫折、2冊読了。
挫折20『ヘンリー・ミラー全集 11 わが読書』ヘンリー・ミラー/田中西二郎〈たなか・せいじろう〉訳(新潮社、1966年)/全14章のうち第9章の「クリシュナムルティ」だけを読んだ。挙げられている名前を見る限りだと、ヘンリー・ミラーはスピリチュアル系に甘いような気がする。ベサント夫人の名前まであった。原書は1952年刊。ミラーはフランス語で書かれたクリシュナムルティの著作をひもといていたようだ。
37冊目『砂糖の世界史』川北稔(岩波ジュニア新書、1996年)/3日ほど前に読了。これは勉強になった。見事な教科書本。中学でこんな授業を受けていれば、勉強嫌いになる子供などいなくなるに違いない。世界史が経済で動いている実態がよくわかる。砂糖、茶、綿織物は世界を席巻してきた。世界各国のプランテーションは奴隷の労働力を必要とした。『環境と文明の世界史 人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ』と併読すれば、更に理解が深まる。
38冊目『囚われの少女ジェーン ドアに閉ざされた17年の叫び』ジェーン・エリオット/真喜志順子〈まきし・よりこ〉訳(ソニー・マガジンズ、2005年/ヴィレッジブックス、2007年)/正義感の強い人は読まない方がよい。怒りに我を忘れて最後まで読んでしまった。ジェーンは4歳から17年間にわたって義父から虐待を受けてきた。勇気を振り絞って告発するまでが描かれている。実母と弟である継子(ままこ)達は頭が狂っているとしか言いようがない。もしも私がジェーンの傍にいたならば、3倍くらいにして義父に報復したことだろう。この手のことで私が躊躇(ためら)うことはない。地獄はあの世ではなく、この世にあるのだ。